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無題
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無題-4

俺は生きていた。
目を覚ましたのは、あれから三日後。
ベッドの横にはやつれた妻と

泣いている娘がいた。
手に力が入らない。
体がうまく動かない。
いやむしろ、もう全てが無理だった。



どうやら



これが



俺に与えられた





最後の時間らしい。




死を恐れていた俺。
死を遠ざけていた俺。
なぜだろうか。
今はそんなに悪くない。
だけど、言わなきゃならないことがある。

力をふり絞って、酸素マスクの下から

思い切り声を出した。




「…あ…り…が…と…」




言えた。
声にならない声を聞いた2人は

また泣いていた。




家族って
いいなぁ。



人間って
あったけーなー。


でも




やっぱり

死にたくなかったなぁ…ごめんな。



ごめんな。





……。


……。


……。


……。


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