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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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嫉妬深い女=嫌われる?-2

数週間、溜めに溜めた黒い気持ちが濁流となって、表のアタシに氾濫する。
「じゃあ、答えたら良いじゃないか。『ありがとう、嬉しい』って!嬉しいんだろ!?正直に伝えたらいいじゃないか!!!」
「あの……白雪さん?」
「アタシの事は気にするな!所詮アタシはラブレターを脅迫文に仕立ててしまうほど、可愛げもない女だからな!」
「白雪……ちょっと」
「大丈夫大丈夫。こんな女らしくないアタシなんて一生男に見向きもされず、寂しく生きて……」
「白雪!!」
ビクッと、なった。
憲の言葉に、必死さと悲しさが混じっているのがわかったから。
「馬鹿な事言うな。俺がお前を捨てて、他の女に走ると、お前は思ってんのか?」
う……。そういえば、アタシ…何を言ってたんだろう。嫉妬心と勝手にした絶望から支離滅裂な事を口走ってたなかったか?
「ふぅ……言っとくけどな、俺はもう決めてるんだぞ」
「………何を?」
「一生、ずっと一緒にいる人は白雪ただ一人だって」
あ……。
その言葉だけで救われた。濁流となっていたアタシの気持ちを簡単に鎮め、心に平穏をもたらす、心地よい言葉とそれに込められた想い。
「……ごめん、憲。アタシ…なんか訳の分からん事を口走ってたよな」
「いや、謝るのは俺の方だ。そんな風になるまで、白雪に気づかなかったんだからな」
お互いに、認識不足だったと言うことなんだろう。
アタシは憲にあそこまで想われてる事に気付けず、憲はアタシが嫉妬していた事に気付けなかった。
まだまだお互い、見えてない所があるんだな。
「でも、これからちょっとずつ知っていけば良いよな」
「もちろん。今回、俺は嫉妬深い白雪を知ったしな」
うぅ……。
「嫉妬深いアタシは…嫌い?」
「それも白雪の一部だからな………大好きだよ」
その言葉に、アタシは思わず憲を思いっきり抱き締めた。
憲は嬉しがりながら驚くと言う、ちょっと複雑な態度を取りながら、よろける自転車を運転する。
心は顔に出る。
憲の言葉で心が清々しくなったアタシは笑いながら、この世界で一番愛しい人の背中を抱き締めた。

END


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