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幽霊と一緒
【コメディ その他小説】

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幽霊と一緒〜文化祭編〜-2

「食べる元気が無いから遠慮する」
「朝ご飯は食べないと元気が出ないから食べなきゃダメですよ」
璃逢は僕の意見をすべて無視した。
「じゃあ食べるよ」
どのみち食べることになるんだな……
「じゃあちょっと待っててください」
璃逢はそう言うと部屋を出ていき何かを持って戻ってきた。
「お待たせしました」
その手には食パンが握られていた
しかも焼いていない
「……何これ?」
璃逢から見れば調理済みなのだろうが僕から見ればただの食パンだ。
まさかこれを僕に食べさせるつもりなのだろうか?
「何って食パン以外に何て言えばいいんですか?」
「そうじゃない」
「じゃあなんですか?」
「なぜ焼いていないんだ?」
「オーブンの使い方がわからないんですよ」
タイマーをセットするだけなのがなぜわからないんだ?
「そこは知っておいた方がいいぞ。」
「そんなことより食べるんですか?食べないんですか?」
何の変哲もない食パンなどを食べたいはずが無い。
それ以前に僕の体は何重にも重なった布団に潰されているので食べたくとも食べられないのが現状だ……。「朝飯くらい自分で作れるからこの布団をどけてくれ」
「自分でできないんですか?まったく世話がかかりますねぇ……」
怒るな僕。ここでキレたら璃逢の思う壺だ……
ここはやんわりと違う話に持っていくか。
「なあ璃逢」
「なんですか?」
布団を取り除きながら璃逢が答える。
しかし重そうだな、手伝う気などは微塵もないが……「なんで僕と蒼氷には敬語なんだ?」
これは本当に疑問に感じていたことだ。
「じゃあタメ口でいいんですか?」
「同い年に敬語を使われても違和感があるだけなんだけど」
璃逢や疾風と同い年かはわからないがそう考えておこう
「じゃあやめる」

……うん

「いやぁ、慣れない言葉遣いだと神経使うのよ」

……思っていたより

「あ、そういうことなら蒼氷にもタメ口でいいはずよね?」

……順応が早いな

「ねぇ聞いてる?」

……いつのまにか布団が片付いてるし

「お〜い」

……さてこれからどうするかが問題だな。確か冷蔵庫にプリンがあったはずだからそれでも食べるか。
朝食としてはどうかと思うが璃逢の作った朝飯(?)よりはマシだ

「やあ!」

バキッ!

一人考えていると頬に痛みが走った。
「はっ!」
僕は何をしていたんだ?
「本当に世話が焼けるわね」
誰のせいだ!
「じゃあ私は学校に行くから死なない程度に頑張ってね」
璃逢はそう言うと僕に有無を言わさず家を出ていった「………」




「零が風邪だって!?」
蒼氷はそう言うと机を思いっきり叩いた。
「軽いもんだから心配ないよ」
零は倒れたというのにどこが軽いのだろう……。
「しかし零がいないのに“あれ”を決めるのはダメだろ」
蒼氷は軽くため息をついた。
「あぁ、零は“あれ”のことをまったく知らないから」
「じゃあ何をしても良いと?」
「そういうこと」
そう言うと疾風は黒い笑顔になった。
すると蒼氷が急に笑いだした。
「……フフフ」
必死に笑いを堪えているのがよくわかる。
奇妙に笑う蒼氷をまわりのクラスメイトは気味悪そうに見ていた。


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