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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【17】『霊剣と妖刀とすれ違い』-8

懐から霊符を取り出す。指で挟み、霊力を込めていく。
薄く、研ぎ澄まし、限界まで圧縮するイメージ。そのイメージが固まった瞬間、霊符を撃ちだす。

稲荷が後ろに跳んだ。禍暁が跳んできた霊符に刃を振り下ろした。
しかし、今回はたった一枚の紙が刃を弾いた。瞬時に大和と稲荷が宵闇と爪の刃を振るった。

大和の宵闇により、禍暁が吹き飛んだ。稲荷の爪により、幽霊の身体が二つになった。そして消えて逝く。

「大丈夫か、稲荷?」
「助かったぜ、マコト」

狐姿のまま稲荷が言った。

「ようやくいつものマコトですわね♪」

机に黒傘を突き立てた奏が言った。

「…奏、晴樹、稲荷、周りを頼む。大和…」
「分かってる…」

大和が真っ直ぐに刀を構えた。視界の先で禍暁がフワリと浮き上がった。
博士の言った通り、本体は刀自身で、幽霊の方はどうやら、禍暁に意識を奪われていたようだ。

まるで、見えない剣士が構えたかの様に空中に禍暁が浮かんでいる。

「…安心しろよ、俺がマコトを守ってやるから」

稲荷が身を翻し、迫り来る物を爪で引き裂き、蒼炎で屠っていく。

「…やっぱ、アレを直にやらなきゃダメみたいだな…」

周りの雑魚は奏達と稲荷が防いでくれている。
霊符を取り出す。力を込める。

「…大和…オレが禍暁を押さえる」

大和は答えることなく、宵闇を持つ手に力を入れる。

「はぁあっ!」

大和が一声叫ぶと、一気に相手との距離を詰め、斬り結ぶ。

オレも、同時に霊符を放った。先程までとは違い当てるのが困難だが、オレの目的は当てることじゃない。

また、霊符を放った。軽々と躱されるが、オレは最後の霊符を手に、禍暁目掛けて駆け出す。

そして、霊符と共に禍暁の柄を握り締める。

「…っ…うああ!」

意識が飛びそうだ。身体に電気が流れる様に衝撃が走る。

「ああ…ぐっ…大人しく…っあ…し、やがれ!」

こちらの意識を奪おうと禍暁が暴れる。それに必死に抗い、無理やり禍暁の刃を立てる。

「…大和ぉ!」

その声に大和の宵闇が白き斬線を引きながら、禍暁の唾のすぐ上を穿った。

バキッ!…と音を立て、禍暁の刃が根元から折られ、地に落ちた。
同様に宵闇にも、大きなひびが入った。刀としては致命傷となるひび。

今、二振りの古の刀がその命を終えた。


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