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らぶすとぅりぃ*出会い
【コメディ 恋愛小説】

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らぶすとぅりぃ*もし世界にあんたとあたしと金正日だけが残ったら-1

ドクン…ドクン…

和哉の鼓動が、徐々に激しく脈打ってくる。
こんなに恐怖を感じたのは、いつぶりくらいだろうか…等と考えていると。

キーンコーンカーンコーン
「はい、今日の授業はここまで。日直、号令。」

授業の終わりを告げるチャイムと、それと同時に授業を終えるちょいハゲ親父の杉浦先生。
運命の時は来た!
生徒が一斉に行動を開始する。
仲の良い友人のところに向かう者や、他のクラスの友人に会いに行く者、もちろん恋人同士でランデブってる者だっている。
そんな中、栞は数学の教科書やらを机の中にしまい込み、ゆっくりと自席から腰を上げた。
まだ席に座っている、自分と同じ委員会の人物の坊主頭を一瞬キロリと睨み付けてから、フンッと顔を翻して栞は教室を後にした。
その様子を、遠くで見ていた和哉の友人ハルト。
《ふっ…フンってしたぞフンって!あちゃ〜、こりゃかなり嫌われてんなぁ、和哉の奴。》
ハルトが和哉の方を向き、両手を目の前であわせてペコリと一礼した。して、その心は?
《…ご愁傷様♪》



職員室の前で一人佇む黒い影。ではなく、黒い人。
スーハースーハー…
深い深呼吸をして、自分の乱れた呼吸を整える。
「…っし!失礼しまーす!」
職員室のドアをがらっと開けると共に声をかける和哉。
その声のでかさに驚き、職員室中の人が何事かと思い、声の犯人…基、和哉を凝視する。
本人は何故見られているのか見当もついていない。
まぁ何事も無かったかのように(実際何も無いのだが)和哉は職員室にいる担任、美和子のもとへと歩を進めた。
和哉が歩いて職員室の空気を感じる度、コーヒーの良い匂いが鼻をかすめる。
どうでもいいことだが、和哉はコーヒーが結構好きだ。あの香ばしい香りと風味豊かな味わいがたまらなくいいらしい。作者はとても好きにはなれないが。
そんな雑学を披露している間に、和哉の目に美和子の姿が入ってきた。それと、もう一人。

ドクンドクンドクンドクン

顔面蒼白と言えば嘘になるが、今の和哉を表す表現としては間違っていない。
一歩一歩、二人に近づいていく。
「…あ!佐伯くん!待ったわよぉ。」
美和子が、近づく和哉に気付いて声をかける。その声を聞いて、先に来ていた栞がゆっっくりと振り返った。
《ひっ!》
振り向いて和哉を見た栞の顔は、氷点下までいってしまいそうなほど冷徹な表情。これが漫画ならば、栞のバックには南極か北極の猛吹雪が描かれていたことだろう。
蛇に睨まれた蛙…いや、栞に睨まれた和哉は、小刻みに身体を震わせながらも、なんとか栞の隣まで来て美和子の前に立った。
「いきなり呼び出しちゃってごめんね。櫻庭さんに色々と説明しなきゃいけないことがあって…。」
書類をぱらぱらと見ながら、美和子は少し低めの声で言った。
「…で、佐伯くんも呼んだのは、二人は同じ委員会だからなんだけど、わかってる?あ、櫻庭さんは応援委員会に入ってるんだけど…誰かに聞いた?」
そう言って栞を見た美和子に、栞は頭だけを折って頷いた。


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