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10年来の付き合いとは
【同性愛♂ 官能小説】

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10年来の付き合いとは。-1

俺は建設会社で働く37歳の男だ。
建設会社、とはいっても元々は俺の親父と親方と2人の有限会社で、病気で働けなくなった親父の代わりに俺が入り、数年前に、中学の後輩で仕事もせず燻っていた奴を引き入れ、事務の女の子を含め計4人で働く下請けだ。

親方とは10年来の付き合いになる。
めちゃくちゃ厳しいが面倒見もいい。

「奥さんと息子同時に亡くしてからあいつも変わったよ。」

と親父は言う。
昔は気性が荒かったらしい。
今でも十分荒いは荒いが、理不尽に怒鳴ったり面倒ごとを押し付けるタイプではない。
俺にとっては第二の父親みたいな存在だ。
だからこそ、時々よぎる違和感に、俺は最近意味のわからない不安を抱えている。

その日は仕事の打ち上げだった。
事務の女の子は彼氏が来るからとあっさりと帰ったので、俺たち3人で、会社で飲み会をしていた。

「あんたら、マジ、片付けろよ!特にお前!呑めねぇんだから余力あんだろ!来週散らかってたら、分かってんな?」

顔は可愛いのに中身がモラハラ親父の事務の女の子に釘を刺されシュンとする後輩であったが、こいつは馬鹿なのですぐに忘れる。そして呑んでもないのにすぐに調子づく奴だ。

酔いも進んできた時、親方が

「どらもっち食いてぇな…おい、お前買ってこい。あと、焼酎。」

と言い出し、後輩をパシリに行かせた。

「えー、めんど…」
「3分もかかんねぇだろ!この怠けもんが!」
「どっちがですか…はいはい、どらもっちねドラえもんー」


「ったく、あいつは生意気でしょうがねぇな…」

と親方が呟く。
だけど、昔の俺みてぇなんだよな、と遠い目をするまでがいつものセット。

男は昔の自分に似てる若い男を可愛がる。
だから、俺は後輩を引き入れて良かったと思っている。
なのに、親方のこのセリフを聞く度、陰のように心に被さるものがあった。
二人きりになると、それが益々深くなるのだ。

俺、親方の体の事とか、すげぇ心配してんのにな…

してんのに、なんだ?
自問自答する。分からない。
酔いのせいか次々に言葉が巡る。
俺は吐き出すように口を開いた。

「親方……」
「なんだ?」
「また太りましたか?」
「そうか? まあ、この歳になるとなぁ」

親方は腹を撫でながら苦笑いを浮かべた。

「あんまり不摂生しないでくださいよ」

と言って俺は親方の腹を冗談のつもりでさすった。

「…」

沈黙が流れた。
まずい。

というか、何してんだ俺?親方も黙ってるし……。
慌てて手を離そうとした時だった。
親方はいきなり俺の手を掴み下に下げたのだ。

「ちょっ……! 親方!」
「こっちが触りたいんだろ。どうだ?」
「どうだって…」

俺は頭が真っ白になった。
他人の、男のそんな所を触った事なんて一度も無い。
それなのに、なんでだろう、初めて女の胸を触った時のようなドキドキが脚から頭にせり上ってくる。

「おい、遠慮するなよ」

俺が引き剥がそうとしても手首をがっちり掴まれて離してくれない。
そこは変化はしない。でも、手のひらにずっとゴロゴロとした熱い感触が伝わり、何故かこちらが反応しかけている。
親方は俺の顔をマジマジと見つめ、ニヤリと笑った。

「どーした?顔赤いぞ?」
「そ、それは酒のせいです……」

「あー、あそこコンビニマジくそっすよ!なんで焼酎無いんすかね?めちゃ歩きましたよー」

後輩が帰ってくる声がして、俺は慌てて全力で手を引っ込めると、親方はフッと笑って何事も無かったようにコップの酒をクイッと飲んだ。

「おい、どらもっちは買ってきただろうな?」
「あ!忘れました!」
「バカヤロウ!買ってこい!」
「えー、自分で行ったらいいじゃないすかー?第一ドラえもんみたいな体型でどらもっちなんか食べてるから、事務の女の子笑い堪えてましたよ?」
「なんだと!」
「あーはいはい、買ってくればいいんでしょ?」

後輩はまた部屋を出ていった。

「…さてと、だ。」

息がかかるくらい、親方の顔が近付いてくる。
なにをしようとしてるんだ?
まさか、そんなはずは…
俺の動揺を欲しがっているみたいに、親方は俺の表情を執拗に観察してくる。

「……親方、あの、」
「お前、俺の事好きだろ?」

心臓が飛び跳ねた。

「いや、あの、その……」
「隠すなよ、わかるんだよ」

俺は必死になって首を横に振った。

「違うんです、俺は親方を尊敬して…」
「ほう?お前は尊敬してるとそんな潤んだ目すんのか?」
「いや…これは!てか、ほら俺、最近まで彼女居ましたし!おっぱい好きだし!」
「あー、そうか、気付いてねぇて事な。」

親方が真剣な眼差しになる。

「気付かせて欲しいか?」
「な、何をですか?」
「お前は、女なんかより俺みてぇなゴツい男が好きだって事だよ。」
「……」
「正直に言えよ」
「……」
「答えない気か。しゃあねぇなぁ…」
「え…?」

親方は俺にのしかかるような形で俺を引き寄せた。
何が起こったのか認識する前に、俺の身体は振りまくったコーラみたいに何が弾けて噴き出した。
何をされた?考える間に親方は俺の口を舌でこじ開けてくる。俺は抵抗できずされるがままになっていた。
口の中を暴れ回る親方の分厚いものが俺の脳まで溶かしていくような感覚に陥る。
意識が遠退いてく……。
気づくと、俺はベッドに横になっていた。


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