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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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空っぽに-3

 男は女を駅まで送ると元来た道を歩いて旅館に舞い戻る。

 『よかった。戻って来てくれたのね。権堂さん、今日もお楽しみでよかったわね』

 帳場から女将が出てくる。

 『一応、送ってきたんでね。部屋も綺麗に拭いて出ては来たんだが迷惑かけて悪いと思ってさ』
 『いいえ。お心遣いもいただいてありがとうございます。今、部屋の窓を開けて空気を入れてきたところ。タオル、お部屋に多めに入れておいたけど間に合ったみたいね?』
 『ああ、大丈夫。助かったよ』
 『あの方、今日もいい声で鳴いていらしたわね。喉の具合もよろしかったの?』
 『女将にはかなわんな…。まあ、いくらか手間取ったが、机の上に仰向けにさせてやってさ。そしたら一発で奥まで入ったよ』
 『口から喉までまっすぐになるものね。美しいお顔が見えなくなっちゃうけど』
 『顔は見えなくても、喉を見ながら抜き差ししていれば十分だよ。それにあの鳴き声だし。喉の具合も声の具合もなかなかの具合ヨシ…だったよ』

 男は、仰向けに寝て自分の逸物を呑み込んだ女の白い喉が、獲物を呑み込んだ大蛇の腹のようにうねっている様を思い出している。

 『そうでしょうね。女のわたしが聞いてもうらやましいくらいの喜悦の声…ですもの。それにしても今日いきなり座卓の上でイラマ(チオ)までこなしたのね、すごいじゃない?』
 『前回の感じからして、この際、すっかり自分を解放させてやりたくなってね』
 『奥様も見事に応えられたわけね。権堂さん、ほんとに優しいんだから。たまにはわたしのことも構ってよ』
 『ふふ。そうだな。あの奥さんでもさすがに次回はあの穴で…というわけにはいかんしな』
 『時間をかけなきゃね。せっかくのいい素材なんだから』
 『うん。でも、おそらく未経験ではないな』
 『あら、そうなの? ますます見かけによらないわね』
 『ただ、拙い経験はいつかは上書きしてやりたいものだ。自分を解放するには一度何から何まで空っぽにならないとね』
 『今日は胃の中を空っぽにさせられて…次は腸の中も空っぽにさせられて』
 『そうだ。最後は頭の中も空っぽになれば、また、人生楽しんでいけるようになる…』
 『この前もそうだったけど、あの奥様、今日もかなり空っぽになれたんじゃないかしらね』
 『まあ、また奥さん連れて近いうちに世話になるよ』
 『近いうち…だなんて。今日は下のお口は1回だけだったんでしょう? 3日も空ければ大丈夫じゃないの?』
 『はは…焦りは禁物だよ』
 『お尻は無理でも、上下のお口で『串刺し』しては差し上げられるんじゃない?』
 『なるほどな…。前原夫妻に声かけてスワッピングでもしてみるか』
 『あら、わたしが権堂さんの妻になりきってペニバンつけて参戦しようと思ったのに』
 『まあまあ。焦らない、焦らない』
 『はいはい。まだしばらくは『萩の間』でいいわね。いよいよお尻を使うときは『菊の間』用意しますから』
 『あの部屋、ほかに使う客いるのか?』
 『意外と多いのよ、最近は』
 『そうなのか。じゃあ、事前に連絡しないといかんな。予約が入ってるようだったら教えてくれよ』
 『かしこまりました。…まだ、帰らないでしょ? あたしならもう(お浣腸も済ませて)準備できてるわよ?』
 『さっき出るときに『本日満室』なんて札がかかってたから、そうかもしれないとも思ってはいたけどさ』
 『あら。それは権堂さんとあの方にたっぷり楽しんでいただきたいからじゃないの。意地悪言って。わたしのことも空っぽにさせてよ…』
 『わかった、わかった』

 権堂が女将の着物の裾をまくって白く大きな尻を露わにする。尻を両手の掌で撫でまわし、肉を掴んで左右に開いたりしながら、頭の中では、五十路の人妻が、顔を紅潮させ、こめかみに血管を浮き立たせ、鼻孔を極限まで開き、眉間にしわを寄せ、白目を剥き、ときに寄り目となって、顔面から上半身まで体液でヌラヌラに光らせながら、自己を『解放』している様を思い起こす。

  ”オゴッ! オゴッ! オゴォッ!”
  ”ォロッ! ォロッ! ォロォロォロォロォロッ!”
  ”グフッ! グフッ! ……………エロエロエロエロエロエロッ!”
  ”………ブハァッ!…ハァッ!……ハァ…ハァ…ハァ…”

 喉奥に射精され、ばたつかせていた手足の動きもとまって、座卓の端から頭をだらりと垂らしている五十路妻。股を閉じることも忘れ投げ出されたままの下肢。薄く開いた瞼から覗く焦点の定まらない瞳。全身から水を浴びたように発汗している。

 そんな女の様を見下ろしていても、それでも、女には敵わない…と思う。男を虜にする穴を三つも持っているのだから。


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