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『そしてその歌は世界を救う』
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『そしてその歌は世界を救う』-2

階段に音が洩れるのは決して壁が薄いからや大音量でオーディオを鳴らしている訳では無い。
どちらかと言えばきっちりした性格をしている樹だが 何故かドアを閉めたがらない。
何故そうなったかと思われる理由は樹が小学生時代に戻る。
五年生に上がり男女間でも異性を気にし出す時期 周りでは髪を少しブリーチしたりテレビで良く見る芸能人の髪型を真似しだしりとそれぞれが変わり始めだした時期だ。
樹も又例外ではなくお洒落髪型カタログ200○と名を打った雑誌を母に着いて来たデパートの三階にあるここいらでは一番大きい書店でそれを発見し、軽く流し読みした後辺りを見渡して母の姿を探す。
書店と連結しているCDショップで昔の歌手がオムニバス形式に収録されているCDが陳列してあると記憶している場所で物色をしている母を発見しこちらの視線に気づいた母に向かって樹は雑誌をかざした。
連結しているとはいえ、書店からCDショップに入るには少し間があるので購入していない本をそこまで持っていくという行為は流石にこの年になって行うには気が引けた。
樹に気づいた母の反応はというと…
すぐに又CDが陳列された棚に目を落とし『買わへんで』という無言の合図を樹へと発信した。

まだ母に逆らう事を覚えていない樹は落胆し棚に入っていた場所に戻さずすぐ下のこれで完璧!!ギターコードブック!!と名を打たれた雑誌の上にポンッと置き母の元へと歩きだした。
樹が出来る精一杯の八つ当たりだった。された書店では迷惑でしか無いが。
すぐ後に書店の店員が慣れた手つきで樹が置いた本とその下にあったギターコードブックを陳列し、さっきまで作業を行っていた場所へさっさと戻っていった。
樹が来る以前に誰かがそのギターコードブックを読んで同じくそれを元に戻さず帰って行ったのだろう。
そう考えた樹は自分だけが行った行為ではないとすぐに認識し その傲慢な行動に対してそんなに罪悪感を抱かなかった。

CDショップに入ると母はさっき眺めていたと思われるCDを手にしレジへと向かっていた。

しょうがなく適当にCDを物色していると黒い背景に骸骨がタバコをくわえておりその横にd.Gと書かれたジャケットのCDが目に留まった。

それが樹のこれからの人生を変えていくd.Gと言うバンドとの出会いだった。
裏を見てみると明らかに邦楽では無い事が見て取れた。
欲しいと思った雑誌を買ってもらえなかった樹は普段音楽など聴かないくせにそれを持ってレジでCDを購入している母の元へ向かった。


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