Ｇｉｒｌｓ★Ｏｎｌｙ-2
「だってぇ、シチューはりりかのティアラだもん♪」
「…はぁ？」
真奈美は呆れたように言う。
「今のことば説明してくださいな、梨々花ちゃま。」
「だからぁ、シチューとティアラはりりかにとって、大好きで大切で必要不可欠なのぉ！」
「ティアラが必要不可欠〜？はぁ、梨々花ちゃまはお姫ちゃまですものねー」
真奈美の口調にみんなが笑う。
「真奈美ばあや、りりか姫のためにアイスクリーム買ってきて」
梨々花が切り返す。真奈美は恐い顔で梨々花をにらんだ。
「誰がばあやだって？まぁ梨々花はほっといて…みんな、いつでも男、紹介してあげるからね！」
真奈美は男の子とメールしたり遊んだりするのが大好きな子だ。
「あってゆーか、今度の日曜もボーリング誘われてんの。美百合、咲季、行かない？」
「どうしてりりかは誘わないの〜、ばあや。」
「あんたに男持っていかれるからよ！ね、美百合と咲季、お願い。」
「えぇー、うちでいいん？うちが行ったらみんなががっかりするとか嫌やで。」
咲季は地味な顔なのを気にしている。けど、普通に美人だし、何よりスタイルがいい。
「そんなこと絶対ない！ジュリっ子はみんなかわいいって評判だしい！」
「ジュリっ子？えー、この辺では純和女子学園って言わない？純和の子ってバカっぽいけどかわいいよね。」
美百合が首をかしげる。聖ジュリア女学院はこのあたりでは一番偏差値が高い。まじめで頭が良くてプライドが高いイメージ、というのが定説だ。
「純和はアホやから可愛くみえるねんって。そういうのムカつくわ。」
咲季も純和の子は嫌いみたい。
「純和よりジュリアよ！塾の男子がそう言ってたもん」
真奈美が主張する。
「うーん、その男子がりりかを見たんでしょ。」
梨々花がまじめな顔で言う。
「梨々花はだまってて！」
真奈美と梨々花は仲はとても良いのだけど、会話はいつもケンカ口調になる。
「あ、てかあたし日曜はピアノあるし、無理だわ。」
美百合は特に申し訳なさそうにもせずパスする。
「じゃあうちもパス」
すかさず咲季。
「えぇー、もう！一人じゃ行けないよぉー！…梨々花！」
「はぁい？」
「今度の日曜、11時にプリンセスショップ前。」
「はぁい〜！うふ、りりかおしゃれしちゃうからねぇ」
「まなみだって負けないし！」
「良かったわねー真奈美も梨々花も。」
美百合はお姉さん役だ。
「あ、そうそう、みんなこれ見てよ。」
真奈美がかばんから取り出したのは、ティーンの雑誌、「ANGEL」 だ。