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オンナ狂 神谷鉄平
【OL/お姉さん 官能小説】

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面接-8

都姫は戸惑った。心の底から鉄平をフェミニンマインドで採用するメリットが無かったからだ。それはいくら考えても変わらない自信がある。それを傷つけずどう伝えるか悩んだ。
「あの…、ごめんなさい。昼間私の口からはっきりお伝えできなくて…。ご不満ですよね…」
一応夜で危ない時間帯だ。あまり鉄平を刺激しないように言葉に気をつけた。
「不満なんてないですよ。不満があるなら電話もらった時点でオフィスに乗り込んでますから。でもそんな不採用された分際でオフィスに入るのはオフィスの雰囲気を悪くしてしまうだけなのでしませんでした。でもやっぱり不採用の理由をちゃんと知りたくて、CEOが帰るまで待ってたんです。まぁこんな時間まで待ち伏せみたいな真似してるのも失礼なんですが…」
そう言った鉄平に都姫は思った。
(意外と常識は持ってるのね。)
人間的には悪くない人なんだと言う事は分かった。だが一度下した判断をそう簡単には変える訳にはいかない。どうしたら諦めてくれるか頭を悩ませた。

「CEO、お時間ありますか?」
「え?ま、まぁ帰るだけだから…」
「じゃあ飲みに行きませんか?」
「えっ…?」
「飲みに行って腹を割って話がしたいんです。そこらの居酒屋でいいですから。」
「いやぁ、でも…」
「この間のは企業としての上辺だけの面接です。それはそれで大事ですが、酒を飲んで腹を割って話がしたいんです。言わば社員の神谷鉄平じゃなく、素の神谷鉄平を知って欲しいんです。それでもやっぱ必要ないと思われたなら俺もキッパリ諦めます。約束します。だから人間神谷鉄平を一度面接して下さい!お願いします!」
真剣にお願いされ頭まで下げて来る鉄平を拒否する気持ちにはなれなかった。ただ先日の面接で女遍歴を自慢げに語ると言う、普通の面接者なら絶対しない、良く分からないアピールをした理由には興味がない訳ではない。それにそんな話をしたにも関わらずあまり嫌味を感じない人間性にも興味はあった。
(まぁ飲みに行くぐらいならいいかな。それで諦めてくれれば…)
そんな気持ちになった。それに自分では気づいていなかったが、人から飲みに誘われるのは久しぶりだ。それが仕事漬けの都姫には少し嬉しく感じた。
(どうせ一人で飲むつもりだったし、誰かと飲むのも変わらないわよね…)
都姫は少し肩の力が抜けた。
「分かりました。飲みに行きましょう。」
鉄平は嬉しそうな顔をした。
「本当ですか!?」
「はい。でも終電逃したら帰れなくなっちゃうんで、二駅先の新街駅近くの居酒屋でいいですか?」
「はい、どこでも!」
「ありがとうございます。じゃ、行きましょうか。」
「はい!」
2人は駅まで歩き出した。


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