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人妻ハメ好きの友人
【熟女/人妻 官能小説】

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ザ・レジデンス鶴来-4

 牧田遥太は6階にある階段の端の方に腰掛け、首を長くして蘭の到着を待っていた。蘭がすぐに戻ると言って部屋に行ってから暫く経つがまだ彼女は戻って来ない。

「蘭さん遅いな‥‥」

 遥太は一分毎にズボンのポケットからスマホを取り出して時間を確認する行動を取る。自分でも焦っているのは自覚していた。

 ふと遥太は考える。このまま帰ってしまってもいいのではないか?そうしたら少なくとも自分が気持を伝えない事で小夏の家庭を壊さずに帰れる。

 今、自分は蘭の勢いのままに自分はここに居るが、果たしてそれは双方にとって本当に良い事のなのだろうか?

 疑問からの不安が込み上げては繰り返す、悪循環のループに陥る遥太。

 そんな彼の心境を良い意味でぶち壊すタイミングで蘭が到来した。

「ごめんね遥太君。コーヒーご馳走になってて、早めに撤収するつもりがすっかり遅くなっちゃった」

 階段で待たせていた遥太に開口一番で蘭は謝罪すると、辺りを見渡す。

「誰か来た?」

「いえ、蘭さんが戻って来るまで誰も」

「なら良かった。変な目で見られないで良かったね。それで、さっき渡した媚薬は?」

「えっと‥‥5分前に飲みました」

 一分毎に確認していたから、はっきりと時間が言える遥太。ちなみに媚薬は液体状のもので、小瓶に入れていたものを飲んだ。

「よし。じゃあ、お膳立ては済んだから頑張って」

 遥太の背中を軽く叩いて立ち上がらせようとする蘭。だが、遥太はすぐに立ち上がろうとしなかった。

「え、どうしたの?」

「何だかいざここに来たら、その‥‥こ、怖くなっちゃって‥‥」

 遥太は顔を青めて告げる。

「それは‥‥小夏ちゃんに拒絶されるのが怖いとか?」

 蘭は遥太の目を見て尋ねる。

「それもありますけど、これから行動って少なくとも小夏さんの日常を崩壊させる事じゃないですか」

「まぁ、そりゃ告白した上で媚薬の力でエッチまでするワケだからね」

「小夏さんにはあるべき家庭があるんです。なのに、僕はそれを欲のまま身勝手な行為で愚かにも壊そうとしている‥‥」

「‥‥それで?」

 蘭はいつの間にか、マンションの壁に寄りかかっていた。

「そもそもの話、小夏さんは既婚者なんです。そんな彼女を僕が告白しても迷惑でしかならないです。もし‥‥もしも告白に成功して仮に付き合えたとしても他の誰かにバレたらお互いにただでは済まないわけですし‥‥世間一般的な常識で考えたら言わないってのも一つの選択かなって‥‥」

 世間一般的な常識で考えて。それが遥太が気持ちを抑えこもうとする理由だった。

 蘭はそんな弱気な態度の遥太を見て、呆れてため息をついた。

「世間一般的には‥‥ねぇ。じゃあ君はどうなの?今目の前に存在しない人達の意見やら声を理由にして、君はこの恋をすんなりと諦められるの?」

「え‥‥?それは‥‥」

 出来はしない。少なくともこの思いを告げるまでは諦めるなんて多分、出来はしない。

「君は友人のセフレかも知れないで立ち止まって、今度は相手が人妻だって知って立ち止まった」

 でもさ、と蘭は言う。

「仮に小夏ちゃんが独身だったら君は迷わず玉砕覚悟で告白に行ったでしょ?」

「それは‥‥多分、そうしたかも知れないですけど‥‥」

「でしょ?自分が恋した事に他人だの世間だのなんて理由にならないただの言い訳よ。だって好きになったんでしょ?ならそれだけでいいじゃない」

 蘭は遥太の背中を軽く叩いて言う。

「いいじゃない、時には身勝手でもさ。お利口に生きているだけじゃ手に入らないものだってあるんだから。身勝手な考えも時にはアリでしょう?」

「蘭‥‥さん‥‥」

 初めて蘭の持論が心に突き刺さって、遥太は憑き物が落ちたような気分だった。。破茶滅茶で無茶苦茶な独自の考え方を持っている女性ではあるが、自分にとっては恋のキューピッドのような存在だ。彼女なしにここまで漕ぎ着けられなかった。それに対しては最大限の感謝している。

 遥太の心は不安だらけだった。それは間違いではない。けれど、その不安の数だけが小夏への遥太への想いの裏返しだ。不安になる分だけ彼女の事を考えていたのだ。

 だから、今の自分の気持ちを伝えるまでは帰るなど有り得ない話なのだ!

「‥‥蘭さん、僕が愚かでした。すみません」

「ん。それじゃあ覚悟を決めたのね?」

 蘭の問い掛けに無言で遥太はコクン、と頷く。

「さぁ、覚悟が決まったらレッツゴーよ!瀬尾小夏をバッチリ攻略して来なさい!」

「‥‥はい!行ってきます!」

 蘭のエールを受けて遥太は階段から立ち上がり、歩き出す。さながら、覚悟を決めて強大な存在に立ち向かう戦士のような心構えで。

 彼はこれまで生きてきた20年に満たない人生の中で、一番勇気を抱いて歩き出す。

 道中、6階の各部屋に通じる共用の外廊下がある。窓で覆われた共用の外廊下は、日中でも電灯を照らして明るさをキープしている。そこを遥太は通って瀬尾家の部屋を目指す。

 遥太はやっとこさ606号室のドアの前に立つと、一呼吸を置く。そして部屋の前のインターホンを鳴らす。

 ドアは1分と経たない内に開いた。

「えっと‥‥こうして直にお会いするのはニ回目ですね。瀬尾小夏さん」

 遥太はドアを開けた当人の名を呼ぶ。

「えっ、やっぱり君って‥‥!?」

 玄関のドア先に居るハニーブラウン系のショートカットの女性は、目を丸くしてこちらを見ている。その口ぶりから部屋のインターホン越しに見ていたのだろう、と想像ができる。

「僕は牧田遥太。原之坂高校に通う高校生です」

 遥太は逸る気持ちを堪えながら、憧れの想い人へ自己紹介をした。


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