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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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結婚生活のスタート-1

 披露宴が終わり、両家からの参列者に挨拶もして、着替えを済ませる。わたしたちは最上階のスイートルームに移動した。夫はかなり酒を飲まされてしまっており、緊張も解けたのかベッドの上でいびきをかいて眠ってしまった。

 わたしもそれなりに疲れていたからソファーでうとうとしていると、夫に起こされた。酔いもいくらか醒めた様子で隣に座ってくる。

 「今日は疲れたね」
 「そうね。お疲れ様。飲み物でものむ?」

 冷蔵庫を覗くと飲み物が何種類か置かれている。夫の希望を聞いてオレンジジュースをグラスに注ぐ。

 「どうする?」

 黙ってジュースを飲んでいた夫が意を決したように訊いてくる。どう応じるか案じていると夫が独り言のように、

 「明日の出発時間もあるからな…。バスに乗るなり居眠りしてるようじゃなんともみっともないな…。悪いけど明日にしないか?」
 「悪いなんてことないわ。今日は休みましょう。お疲れ様」

 新婚第一夜はなにもないまま朝を迎えた。

 翌朝は朝食を済ませてチェックアウト。同宿の親族に挨拶をしてホテルのバスに乗り、新幹線が停まる駅まで送られる。新幹線に乗ると夫は窓側に座って車窓を眺めている。2時間くらいして下車駅に着く。駅前からタクシーで15分ほどの高級温泉旅館が今日の宿。

 夕食も終わり部屋から膳が下げられると仲居さんが来て布団が敷かれる。わたしたちは部屋につながった露天風呂に浸かる。夫は照れでもあるのかなかなかこっちを見ようとしない。こちらも夫より先に湯から上がるのもどうかと思っているうちにのぼせてしまいそうになる。仕方ないから湯から上がって、縁の石に腰かけて涼む。手拭いを持ってはいるが胸を隠すのもかえって不自然かと思って座っている。

 「お湯、けっこう熱いわね」
 「そうだな。先に出る」

 夫がわたしの隣に座って涼むきっかけを作ったつもりだったが、夫は湯から立ち上がるとそのまま出ていってしまった。夫の前は勃っているように見えた。そのような状況では隣にも座れなかったということか…。わたしも冷ました身体を最後に湯に浸かってもう一度温めてから風呂から出る。

 部屋では、夫は敷かれた二組の布団の片方に寝て目を閉じている。わたしは部屋の電気を常夜灯にして隣の布団に入る。

 「いいか?」

 夫が声をかけてくる。(どうぞ)と返事をするかわりに、わたしは夫を迎え入れるべく自分の掛け布団をめくる。

 ぎこちなくわたしの身体を愛撫してくる動きは、職場の上司が言っていたように『仕事一筋の人間』だったことが伝わってくる。乳房の中央に乳首が立っているのが珍しいというように、指先でつまんだりして質感を確かめているようだ。乳房はかなりきつく掴まれても構わないのだが、そのようなことはしてこない。

 夫の掌はいつまでも、胸から腹のあたりを行ったり来たりしていて、股間までは延びてこない。手を取って導くわけにもいかず、さりげなく身体の向きを変えたりしながら、キスに持ち込む…。『持ち込む』などという言葉に品がないが、そのとおりだから仕方がない…。

 横たわってキスを交わしていればお互いの下半身が密着しても違和感がない。勃起している夫を太腿や下腹部に感じる。片脚を夫の脚に絡めるようにして、勃起とわたしの膣口を接近させる。そんな動きを何回か繰り返して、わたしの身体を仰向けに戻すと釣れた魚のように夫がのしかかってきた。

 しばらくキスを交わした後、夫がショーツに指をかけてくる。わたしは腰を浮かせてショーツを脱がされる。夫も下着を脱ぐと浴衣を脱いで裸になる。わたしも同じように裸になって仰向けに横たわる。

 夫はわたしの身体に覆いかぶさって、先端で膣口を探しているようだったが、見当違いなところを彷徨っている。彷徨った挙句にとりあえず押してみようとでも思ったのか、見当違いなところに先端を押し込もうとしてくる。

 「あ…っ」

 (そんなところじゃないわよ…)。不意な動きに思わず声が出る。

 「い、痛かったか?」

 確かに痛みがあったが、見当違いなところを押された痛みで、決して処女を喪う痛みではない…。初夜を経て処女ではないことが夫に判ったら、素直に『初めて』ではないことを言うつもりではあったが、夫は勝手に勘違いしようとしているかもしれない…。

 手を添えて膣口に導いてやればすぐに済む『入口探し』だけど、もうしばらく夫に任せることにし、夫が力を込めるたびに「んーっ…」とか「うう…」などと呻いたりしてみる。それでも、最後は腰を浮かせながら、手を添えて入口を教えた。ヌルヌルと夫が入って来たのに合わせて「いーっ…」っと歯を食いしばってみた。

 「入ってる…のか?」

 (うん)と頷く。失礼と言えば失礼な『感想』を聞かされた…と思うが、穴が緩くて入ったのかどうかも分からない…という感じでは全然ないから、もしかしたら、夫の方が『初夜』なのかもしれない…と思った。

 「痛くない?」

 (大丈夫)と頷く。(ぜんぜん痛くないから、好きなだけ動いていいのよ)と伝えたいところだが、せっかくの『勘違い』を無にしてはもったいない…。

 仰向けのまま、呆気なく果てた夫の身体の重みを受け止めている。

 (お父ちゃんとお母ちゃんも家に着いて、今頃こんなことしてるんかな…。お母ちゃんはお父ちゃんのお嫁さんになったとき『初めて』だったんかな…。もしかしたらお父ちゃんも…かな? 笑)


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