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『XXX Friend』
【女性向け 官能小説】

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『XXX ILLUSION』-2

「奈々?おい、奈々っ」
俊樹の言葉にようやく我にかえり、私はすとんとイスに座る。
「あ……綾香に、誤解だって……言わなきゃ」
「もう、行っちまったよ」
立ち上がろうとして、俊樹の言葉にまた座る。
頭の中で一生懸命、考える。
丈弘は何も言わなかった。否定しなかった。
つまり……。
「…………ない?」
「えっ?ごめん、何?」
「誤解を本当にする気はないかって」
「は?」
「イヤ、だから付き合わねぇ?何かノリみたいだけど、マジだから」
俊樹は真剣な顔をしていた。
「私……」
好きな人がいると言いかけて、もう無駄だということを悟った。
「……いいよ、付き合おっか」
そう、俊樹に笑いかける。
「いいのか?」
「うん」
こじれてしまった糸は切らなきゃほどけない。
窓の外には雨が静かに降り始めていた……。

私と俊樹はうまくやっていた。
俊樹は私を大切にしてくれたし、私は俊樹の側にいると自然に笑うコトができた。
ただ、私は一度も俊樹に体を許してなかった……。
「奈々。俺、教授の所にちょっと行ってくっから」
「うん。わかったー。待ってんね」
「おう」
人気のない廊下で窓の外を眺める。
みんな帰るところだろうか。学生たちが下の道を通っていく。
私の目は自然と丈弘を探していた。
ふと気が付くと探している。それはもうクセになっていた。
「あ……」
丈弘を見つける。
一人じゃない。側には綾香がいた。
二人で何か話していて、恋人たちはとても幸せそうに見えた。
「奈々?待たせたな」
「俊樹……」
私はきゅっと、俊樹の腕にしがみついた。
「どうした?」
「何でもない。……今日、俊樹の家に行っちゃダメ?」
「狭いぜ。いいけど」
一人になりたくなかった。
私は俊樹の腕にしがみついたまま歩き出した。それこそ、幸せそうな恋人のように……。

「奈々、こっち座れば?」
俊樹の家で、夕飯を済ませて何と無くテレビをつけて二人で見ていたら、ふと俊樹が声をかけた。
「ん、行くー」
俊樹の正面に座っていたのを、隣に移動する。
こっちの方が確かにテレビが観やすい。
「ほれ」
俊樹が私の頭を引き寄せて、肩にもたれかかせる。
テレビではどこかのヒロインが、恋人とまたケンカをしていた。
たぶん、私は今、幸せなんだろう。
俊樹の顔を見上げると、優しいキスが降ってくる。
私は目を閉じた。
肩を抱き締められる。
俊樹は優しい。
「テレビ、消す?」
「あぁ」
私は腕を伸ばして、リモコンで切った。
「奈々……」
俊樹が長いキスをしながら、私に触れる。
服の上から大きな手でゆっくりと胸を揉まれる。
こうなることは俊樹の家に行くと言った時から、わかっていた。
もう、今更、こだわっていても仕方がない。
丈弘と違う手が私に触れていく……。
「好きだ」
「あ……」
服のボタンに手がかかる。
だんだんと開けられていく首元に俊樹の手が触れた瞬間、とっさに私は俊樹の体を押し退けていた。
「やだっ!……ごめん……」
「何でだよ……俺は奈々の全てが欲しいって思うくらい、お前の事が好きだよ。だけど、お前は……俺の事どう思ってんの?本当に俺たち恋人って言っていいのか?」
私は答えようとして、言葉をなくした。
「……ごめん……」
この一言が俊樹をキレさせた。
「っ………!!」
肩を押さえ付けられ、床にぶつかる。
「やめっ……!」
力でかなうはずもなく、簡単に唇を塞がれる。
「んっんー!」
俊樹の舌が私の唇を舐め、中へと押し入ってくる。
押し返そうとした舌を逆にからめとられ、口の中をめちゃくちゃにかき回される。
「っはぁ、はぁ……俊樹…」
「ふと気が付くと、お前はいつも上の空で……俺は一体、何なんだよっ!」
「やめてやめてやめてっ」
体重をかけて私の足を押さえ込むと、手首を掴み、私には見えない頭の方で紐のような何かで縛り上げる。
瞳が濡れる。泣くまいと必死にこらえて、俊樹をじっと見つめる。
「離して。お願い」
聞こえなかったように、黙ってボタンを外していく。
シャツの前をはだけられ、ブラのホックも外されて胸が露になる。
ひんやりした外気に触れてゾクゾクする。
「何だよ。コレ……」
「あ……」
丈弘がつけた跡が、まだうっすらと白い肌に赤く咲いていた。
「何なんだよ……違う男が、いたのかよ」
跡を指でなぞっていたのを止め、少しずらした肌に口をつける。


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