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続・花ホテル〜first night〜
【二次創作 官能小説】

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続・花ホテル〜first night〜-3

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―――――30分後、ロビーに現れた杏子は佐々木の見守る中、集まった従業員に対して正式に花ホテルの廃業とそこに至った経緯の概要について説明した。


直前まで警察がホテルに立ち入っていたことから「もしかしたら」と薄々考えていた従業員が大半で、杏子の説明を聞いて大きな驚きを示す者は僅かであった。

杏子の口からホテル閉鎖・廃業に向けての残務への協力の要請、そして従業員の身の振り方についてはできる限りのことをする旨伝えた時、
従業員からは寧ろ女主人への共感や協力の申し出の声が次々と上がり、
杏子が感極まって目頭を押さえる一幕もあった。

傍らで無言だった佐々木はここでそっと杏子の肩に手を置いて背後の椅子に座らせた。

その後具体的な話やホテルの宿泊客への対応について佐々木がテキパキと指示し、一同それぞれの持ち場に散っていった。


ようやく落ち着いた杏子も自分で居間の方に戻り、佐々木もフロントに位置して自ら関係部署に電話をかけ、書類仕事に没頭していった。


そんな彼と杏子のやり取りは「今まで通り」のように見え、仕事の慌ただしさもあったことから、ふたりの関係の変化に気づいた者は現段階ではいなかった。

唯一知っていた浜口の姿もこの場にはなく、佐々木が見せたささやかな心遣いからそれを第3者が見抜くのはなかなか難しかっただろう。




ともあれ、その日は佐々木も杏子も仕事の慌ただしさのなかでお互いが声を掛け合うことはほとんどなかった。

気づけば日も暮れ、辺りに夜の帳が降りる頃、
佐々木と杏子はこの日に限って、それぞれが理由をつけて自室に引き取っていた。



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