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雪の故郷
【純愛 恋愛小説】

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再婚-1


佐藤と暮らし始めて 1年が過ぎようとしたある日
母には 一緒に暮らしているとは 葉書に書かず
家の電話番号だけ 書いて送った

「真奈美 出かけよう」 隆が帰るなり突然言い出し
2人車で 出かけた

「ここで 食事するの?」 見覚えのあるレストランの
駐車場に隆が車を止め 2人は店内に入り席に着いた
食事が終った時 隆が小箱を取り出した

「一年経ったね あそこの席覚えてる?去年あそこの席で話したよね」
真奈美は隆と付き合うように成った夜を思いだし頷いていた

 「真奈美 これそろそろ着けて呉れるかな?」
隆が指輪を取り出し真奈美の指に嵌めて来た

「ずっと 一緒に居て欲しい」 隆は真奈美を見ながら言って来た

・・・ありがとう・・・・・ ただそう言うだけで
涙が こぼれていた

「それと 此処に名前を書いてね 明日一緒に行こう」
隆に言われ 涙を流しながら頷いていた

真奈美が佐藤に姓が変わった翌週
家の電話が鳴った 母からだった
「もしもし 佐藤ですが」 真奈美が出ると

「・・・・・・・・真奈美?」母が聞いて来た

「そうだよ  真奈美だよ」 真奈美は答える

「真奈美 元気? 電話したのはね 昨日修さんから
 電話が有ったの」 母が電話口から伝えて来た

「修さんから?」 真奈美は指輪を見つめ乍ら母に聞き返していた

「修さんがね 明るい声でね 再婚するから真奈美に伝えて欲しいって
 修さんの手紙 貴方に送ったでしょ 修さん気にしていたの 何処かで
 貴方からの連絡を待って居たって 言ってたわ 修さん過労で倒れたでしょ
 その時 一緒に働いて居た娘が 一生懸命看病してくれて 修さん
 その娘と お付き合いするように成って 結婚するって 言って来たの
 貴方も 修さんを忘れて 結婚して幸せに成って貰いたいって 
 言って来たわ」 母の言葉に 修を思い出し涙が溢れて来た

・・・雪の函館の街並みを 思い出していた・・雪の中を通学して居た頃を・・・
・・・帰りたかった・・・暖かい部屋に母の夕食が並ぶ・家を思い出していた・・

 「お母さん そっち寒く無い?」 思わず聞いてしまった

「いつも通りだよ どうして?」 母が怪訝な声で聞き返して来た

「ウウン 何でも無い 私も再婚したよ 先週籍入れた」 真奈美が言うと

「・・・・・・何で言わないの・・そんな大切な事・・」 母は電話口で
嬉しそうに責めて来た

「・・ごめんなさい・・お父さん元気・・?」 父を思い出していた

「元気だよ でも 寂しいのかね 時々貴方の写真見ているよ」 母が言ってきた

「お母さん有難う また電話頂戴 」 受話器を置き真奈美は涙を堪えていた

「真奈美・・・・・」  電話口で母の声を聴きながら通話を終わらせた

・・・雪の中を 学校に向かう 街並みの景色を思い浮かべていた・・・・

・・・・・・もう・・・帰れないなーーー・・・・・・・・・・・・・・
・・・・街の景色を思い出していた・・・・・

修の優しい心を思い出し 故郷を父を思い出し 涙を拭き

真奈美は立ち上がると 隆の為の夕飯の準備を 始めていた


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