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女王蜂
【ファンタジー 官能小説】

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Another.tale2 女王蜂-12

「まさか、夫にそんなことはしない。私はそんなに口の軽い人間じゃないわ。でも君のききわけが悪かったら、だれかに愚痴のひとつもこぼしたくなるじゃない」
「そんなの、僕はたいしたことしてないじゃないか」
「でも、いくつかは社会的犯罪だし、いくつかはウイッチとしてのモラル違反だわ。
これはやさしくいってるの。 多くのウイッチが、あなたは闇に堕ちた黒魔術師だと糾弾するでしょうね。 そして名家の中に、何が渦巻いているのか、もっと知りたがるわ」
「そんなことになったら、僕の信用がなくなってしまう」
「そうよね、信用がなくなるくらいで収まるかしら。 でも、夫にそんなことはしないわ。君もされたくないでしょ。 だから、妻の言うことを聞いて、楽しんで」
「おどしかい、僕はそんなつもりで話したんじゃない」
「間違えないで、社会に対してモラルを取るのか、夫を守るのか悩んでるだけよ」
「僕に何を望んでるんだい」
「幸せな結婚生活だけよ。他に何がある?」
「僕を惑わせたんだね」
「やめて、夫になる人の事は知っておきたいでしょ、教えてってお願いしただけ。これくらいで惑わされちゃうの? 訓練の足りない人。みんなに笑われちゃうわ」
蜜蜂に変わって抱きついてくる。
「でも、これからもお願いを聞いてね」 体に手をはわせて、まるで肉付きを確かめているようだ。
「こんなことやめようよ。もっとゆっくり、デートでもして‥」
「ああ、きもちいい」満面の笑顔で、僕の股間に手をやって、「私、まどろっこしいの苦手なの」
「互いのことを知ったうえで‥」
「私が選ぶの。君は偉そうにしたい王子様、でも私は女王なのよ」
スクリーンでは、グレーテルが、かまどの中の掃除をしろと、魔女に命令されている。
――「服を汚さないように脱ぎなさい」
裸にされると、やけどをしないようにと全身にバターとソースを塗られます。
このまま丸焼きにするつもりなのでしょう。
ヘンゼルは太った体で、「早くおいでよ、もっと君を食べさせてよ」グレーテルが来るのを待っていました。
「すぐに栄養たっぷりの肉を食べさせてあげますからね」魔女が声をかけます ――
スクリーンから目をそむけた。僕は自分の力のなさに腹が立った。
≪仕方がない≫ 傷つけたかったわけではないのだ。
「だけど、僕は女王様タイプって嫌いじゃないんだよ。だってそんな子を奴隷に変えるのって、すごくやりがいがあるじゃないか」 乳首を指先で軽くはじく。そして乳首を吸ってやった。

「何言ってるの。私が君に従うなんて思ってるの」
「そうかい? どんな力を持ってるというんだい。あなたの力は、僕がやめてくれと言って、今の話が秘密になってる間だけ、僕に対して効果を発揮する」
「それが何」
「でもあなたはこの後、僕の話を皆に話すことになるんだよ」
「なぜ私がそんなことをするの」
「流れてしまうんだ。そして僕はいろんな人から非難される。だけど、あなたも、僕を惑わせて聞いた話をネタに、僕をおどして従わせようとしたことで非難されるんだよ」
スクリーンでは、
――グレーテルはかまどをのぞいて、立ち尽くしています。
「掃除の仕方がわからないの」
イライラした魔女は、「こうするんだよ」かまどに顔を突っ込みます。
そのとたん、おしりを押された魔女は、もんどりうってかまどの中に入ってしまいました。
グレーテルは扉を閉め、火をつけました。――
そのあとを僕は見ていない。集中することが必要だった。
ララが僕の手を彼女の胸から払い落した。
「あれは、ただの言葉遊びよ。それに私は人に言ったりしない」
「ああ、あなたには言えない。もちろんこの話は他のだれかからあなたに聞いたと世間に流れるのさ。
みんな信じるよ、こんな恥ずかしい話を僕が自分から流すはずがないからね」
「なんてことを考えてるの」
僕はタイトなミニスカートをずり上げて、ショーツを撫でる。
ララは立ちつくしている。


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