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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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錆落とし-

 「どうしたの? コレ…」

 声を潜めて京子に訊く。

 「家の近くに落ちていたの」

 踏みつけられたのかプラスチックのケースは砕けていたが、『女子高生のセックス』とのラベルに思わず拾ってしまったとか…。ラベルは自分の部屋でカセットから丁寧に剥がしたという。

 「一緒に聞きたかったの」
 「え、どうして?」
 「…だって、わたしと同じコトしてるって教えてくれたじゃない?」
 「そ、そうだったよね…ごめん」

 『どうして?』などと反問されたことが意外だというように京子が胸に顔を埋めてきて思わず謝ってしまう。学校の屋上では、恥ずかしい告白をして涙まで流している京子に感情が移って、つい自分まで『告白』してしまったが、好んで『教えた』というつもりはなかったのだけれど…。

 顔を上げた京子に訊かれる。

 「…興奮した?」
 「そうだね。…興奮しちゃうよね」

 わたしは京子の質問を肯定する。…実際、興奮してもいたけれど。

 「よかった…。こんなの聞いてもらったら、どんなふうに思われちゃうかな…って心配だったけど…安心した」
 「見つけたときドキドキしなかった?」
 「したよ、思いきり。誰かに見られたら大変…とか。はじめはなんだろう? って思って手に取ったんだけど…気が付いたら走って家に駆けこんでた」 

 手の置きどころもないのか、京子の手がわたしの腰骨のあたりに置かれている。受け答えのたびに、恥ずかしさを隠すように、身体に置かれた手が動いてわたしの身体を撫でさすっている。

 「…そうだよね」

 わたしも返事をしながら京子を同じように撫でさする。

 「…さわって」
 「え?」
 「ほら…またそうやって聞き返して…」
 「あ…そんなつもりじゃないけど…」
 「さわって…ここ」

 京子の手がわたしの胸に延びる。

 「さわって…わたしのも」

 わたしも京子の胸に手を伸ばすと安心した様子で囁いてくる。

 「わかってると思うけど、わたし、これ聞きながら、いつもしてるの…」
 「う、うん…」
 「…もう1回聞く?」

 再生が始まる。お互いの胸を遠慮がちに触っていた手は下半身に下りていき、いつしかパンティの中にまで迎えている。

 自分でしか触れたことのない場所で自分ではない指が動いている。

 (いつもそんなふうに指を動かしているのね…わたしはこう…)

 そんな心の中でのやり取りを指を通じて交わしていく。

 何回目かの再生…。キスのシーンで自然にわたしたちもキスをしていた。男女が繋がってからのシーンでは相手の股間への刺激を意識して…。女がアクメに達しようとすれば、さらに激しく…。自分がオナニーでアクメに達するときの指使いを相手に施して…。

 京子は激しく濡れていた。もちろんわたしも濡れてしまっていた…。

 夜が白んできたのは覚えているが、わたしは京子に起こされるまで深い眠りに落ちていた。テープレコーダーもバッグにしまわれたようで跡形もない。

 (もしかして夢だったのだろうか?)

 そんな気持で暫くボーっとしている。

 布団をたたんで身支度を整える。ほかの4人が朝食の場所に出ていく。

 京子が不意にキスをしてくる。夢ではなかったようだ。


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