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君を愛してる
【大人 恋愛小説】

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君を愛してる-1

朝はおしゃれにクロワッサンとサラダとスープ…出窓を開けると爽やかな風が…そして穏やかに微笑む君。




なんて嘘や。




「陸(リク)!」

「んー?」

「いつまで寝てんの?!」

チラッと横目で時計を見ると大学へ行かなアカン時間はとっくに過ぎていた。「あ〜」っと反省なんか諦めなんかよく分からん声を出してみる。

「ほら、さっさと起きて早く行く!」

電話越しに呆れたように言う彼女の莉帆(リホ)。
まだ大学生の俺にひきかえ莉帆は社会人二年目。俺より早く起きて出勤する莉帆からこうやってモーニングコールがかかってくるんはいつの間にか習慣になっていた。
ただし、いつもかけてくる時間が遅くて意味がない。

「はい、真田(サナダ)遅刻ーっと」

「ちょっ、先生!今ギリで入ったで!!」

「はい、やかましい。はよ席つけー」

「嘘やーん」

息を切らしながら来たと言うのに意味なし。ついでにやっぱり莉帆からの電話も意味なし。

「おつかれー」

ニヤニヤと笑みを浮かべる西脇(ニシワキ)に"うるさい"と軽く頭をしばく。
西脇は高校からの悪友。まさか大学まで同じになるとは思わへんかった。遊んでるくせに何故か成績がいい奴ってのは必ずいる。それがまさにコイツ。

「就職活動面倒くさいなー」

「お前やったらどこでも入れるんちゃう」

「ばぁーか、世の中そう甘くないっつの!」

「陸はどうすんの?」

「んー、分からん」

「おいおい、そろそろ焦れよー。莉帆ちゃんも心配してるやろ?」

「まぁなー」

楽しかった大学生活もあっと言う間。四年生の俺らは就職活動が始まる。特にやりたいことがあったわけやないけど、高校のとき文化祭で模擬店を任され、店内のデザインがえらく好評価されたことから、今は一応家具デザイナーとかインテリア方面を目指しているといったところ。

「授業間に合った?」

「うん、ギリギリ遅刻」

「遅刻したんやん!そこはうんって言わない!!」

おしゃれな店見つけたから夕食一緒に食べよう…そんな莉帆の誘いで来たはいいが、会社帰りのOLスタイルの莉帆と思いっきり私服の大学生の俺。チェックの上着にジーンズって…。
周りは大人な女とスーツ姿の男。どうよ、このミスマッチ。


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