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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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縫製工場の昼休み-1

 集落のはずれにある縫製工場。周辺の集落から数人の女性が通う程度の小さな作業場。ミシンが4台ずつ2列に置かれて、それぞれで作業している。

 役場から正午のサイレンが聞こえてくると、女たちはミシンを止めると休憩室に移動する。休憩室は六畳くらいの広さで、古びた畳が敷かれているほかは、壁際に積まれた十数冊の週刊誌と、煮締めたような薄い座布団が数枚。麦茶を入れたヤカンを中央に女たちが車座になって、それぞれ弁当を食べている。

 弁当が終わる頃を見計らって事務所から経営者の兄弟がやってくる。

 「まーた返品喰らったわい。世知辛いもんや」

 弟の専務が段ボール箱を投げ出す。

 「ほう。さっきの長電話はその話かい。声大きくして頑張ってくれてたなあ、社長。工場(こうば)まで聞こえてたで」
 「そりゃそうや。あんたらの汗と涙が染み込んだ製品を返品されてたまっかよ」

 兄の社長がさも当然、と胸を張る。

 「まあ、そこまで気張って縫ってもないけどなぁ」
 「もうそうやって届いてしまったんやろ。仕方ないわ」

 女たちが屈託なく笑い合う。

 「まあ、そう言ってくれるとありがたいけどよ。めげずに頑張るから、これからもよろしく頼みますわ」

 怒りも鎮まったのか、怒る演技も終わりにしたのか、社長が頭を下げる。

 「よっ、さすが社長や。器量が大きいな」

 男たちが女たちの輪に入る。

 「それにしても、最近は、あんな下着ばっかりやなあ」
 「数は出んけど需要はあるんやなあ。どうやって穿くのかもわからんようなのもあるしな。作っても売れるかどうかはバクチみたいなもんなんやろうなあ。そんなんで品質に問題はなくても難癖付けて返品しようとしよるのかもなあ」
 「まあ、ケーエーのことはお二人に任せますから、頑張って下されや」
 「おう、頑張るわ。…どや、こんなん穿いて今夜亭主を誘ってみいな」

 社長が段ボール箱から返品されてきた下着を指先に引っ掛けてクルクルと回す。

 「まあ、ほんとに見れば見るほど『セクシー下着』どころか『変態下着』やな」
 「今さらそんなん穿いたって、亭主はなんも見向きもせんわ。それこそ返品されるだけや…マリ子ちゃんくらいピチピチやったらまだしもなぁ?」
 「あっはっは。ピチピチじゃないもんが誤魔化すために穿く下着やろ。なあ、ノブ子さん?」
 「ひどいこと言うわ。まあ、亭主が元気なのはヨシ子さんとこやないの? どうなの? 一回り年下の若い亭主は? こんなん穿かんでも毎夜毎夜やね」
 「やめてえな。恥ずかしい。ウチはハル子さんとは違うんよ」
 「なんの、ウチなんかミサヨさんのところに比べたらぜーんぜん。この前のおかしな下着もようミサヨさんにはよう似合ってたわ」
 「褒められてるのかそうじゃないのかよくわかんないわねえ。…なあ、姉さん」

 女たちの会話が一巡して最後に姉さんと呼ばれたのは、女たちの最年長で、5男6女をもうけたゴッドマザーのような貫禄のムツ子。

 「…で、今日はどうするんかいな?」

 「そやなあ。長電話でクサクサしとるし、お願いしたいとこやな。専務もそうやろ?」
 「そやな」

 ムツ子が手帳を眺めている。

 「ハル子とミサヨがいい日まわりのようやね。ええか?」
 「はい」

 ハル子とミサヨがそろって返事をする。

 「返品されたんは、また、好きなの持って帰ってや」
 「そうこなくっちゃねぇ」

 女たちが箱に群がる。

 「なんや、貰えるとわかったら群がってからに。ハル子とミサヨの分も残しとけよ」
 「わかっとるわ。いちばんえげつないの残しとくな」

 女たちを残して男女4人は手に座布団を提げて隣の小部屋に移る。社長が戸を閉めても女たちの嬌声が聞こえてくる。

 「うわぁ、これ、エゲツナイ形やなあ」
 「それ、ウチが縫ったんやわ。ウチが貰うわ」
 「そんな責任感いらんいらん。ウチが貰います」
 「あんた、そんなんが好みか。それ穿いて、せいぜい気張りいや」

 休憩室の喧騒をよそに、隣室に入った四人の男女は公衆浴場であるかのように手早くズボンとスカートを脱ぎ捨てる。

 ハル子がパンティを脱ぎながら男に訊く。
 
 「上はこのまんまでええか?」
 「ああ、かまわんよ」

 下半身裸で仁王立ちする男二人の前で二人の女が口淫を始める。

 「しかし、あの担当の物言いには腹立ったなあ。山田とかいう検品課長。股布の縫い目が等間隔でないとかぬかしよって」
 「どうなんや? お股の縫い目に乱れがあったらわかるもんなんか?」
 「どうやろなあ…」
 「考えたこともなかったなあ…」
 「縫い目が乱れてた方が、擦りつけたときにはええような気がするわねぇ」
 「いややわ、もう」

 肉棒から口を放した女たちが顔を見合わせながら首をかしげ、再び口淫に戻る。

 「兄貴ぃ、午後は来客あるんか? 黒板に書いてあったが」
 「ああ、銀行が挨拶したいってな」
 「柳島の道路の補償金の話やろ。さっすが耳が早いのぉ、銀行さんは」
 「銀行に預ける前に工場の赤字補填でパーよ」
 「預けてくださいやのうて、補償金で借金返済しなさいっていう話に決まっとろうが」
 「そんなんわかっとる。夢のない話すな。…アンタらんとこには何も話しないか? アンタらの部落なら田畑が道にかかるんやないか? 下手すりゃ…いや、上手くすりゃあ、屋敷もかかるかもしれんよ」

 女たちは再び肉棒から口を放す。


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