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月の孤独
【ショートショート その他小説】

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月の孤独-1

月は嫉妬深くて、
太陽の光を受け、そうしてようやく虚ろに光りだす。
月は決して自分から輝くことは無いんだ
そう自分を責め、近付くことを許さない太陽をひたすら恨んだ。
でも何も変わることは無くて
それは普遍だとようやくわかり、
ますます太陽に嫌悪する。
でも、どこか羨ましく思う自分がいて
そんな自分を掻き消すように憎むことを覚えた。
でもその憎しみは果てしなくて、とまることはなかった。
他の惑星たちはただその姿をじっと見つめているだけ。
しかし、とうとう地球はそんな月に言った。
「君の光は白く美しいよ」
でも、そんな言葉はもう聞こえない。
それどころか、たくさんの者が溢れる地球を憎んだ。
「自分はたった一人なのか」
そう言った月はもう無表情だった。
そうして心の闇がとうとう吹き出し、たまにしか地球は完全な姿を見ることが出来ない。

月はもう何も言わない。

その姿を見つめながら、地球は小さく泣き、
太陽は変わらず明るく照らし続ける。
他の惑星たちは自分たちをじっと見つめている。
自分たちは一人じゃないと言い聞かせながら。
月は、今も闇の中。


私はつきが好き。
誰よりも。
私がいつも寄り添うから。
だから悲しまないで。
そのあと一人、つきは泣き出した。


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