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『XXX Friend』
【女性向け 官能小説】

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『XXX GAME』-1

“恋人ごっこ”
私は今、ゲームをしている。
ルールは…………。

「あ、出てきた出てきた♪」
ストン、とプリクラ機から出てきたシールには頬をくっつけて笑っている私と綾香。
様々なゲームの音がする中、私たちは顔を寄せあって、プリクラを覗き込んだ。
「結構、キレイに撮れたね」
「うん。ねぇ、奈々。もう一回撮ろーよ」
「またぁ?ちょっと休憩しない?」
せがむ綾香に私は苦笑する。
結局、もう一回撮り、私たちは近くのお店で休憩するコトにした。
お店で、私が綾香の前に座ると、綾香はおかしそうに笑った。
「いっつもアイスコーヒーだよね。しかもブラック」
「……冬はホットよ?」
わざと、とぼけた返事をして、ストローに口をつける。
理由なんて言えるワケがなかった。
「丈弘もそうなんだよね〜。苦くない?」
私は思わず、ストローを口から離してしまった。
「……別に」
「同じコト言ってる〜」
綾香の口からアイツの名前が出る。
たかだかそんなコトに動揺した自分が悔しくて、私は自らその話題を口にした。
「丈弘と綾香って仲がいいよね〜?」
アイツの気持ちなんか、とっくの昔に知ってる。
綾香はアイツのコトをどう思っているのか、聞いてみたかった。
「そうだね。ん〜、ちょっかい出すにはちょうどいいんだよね♪」
あっさりと笑って流されたので、私は笑みを浮かべてもっとつっこんだ。
「何、つきあってるの〜?」
「えっ、違うってばっ……私、他に好きな人いるし」
綾香は照れ笑いを浮かべて、そう言った。
「ウソ……誰?」
「俊樹。……誰にも言わないでよ?」
「あの、丈弘の友達の……うん、言わないケド」
私は呆然と背もたれに身を預けた。頭がうまく動かなかった。
「確かに、丈弘のコトは気に入ってるケド……ね?」
「はぁ……初耳」
「だって誰にも言ってないもん。奈々が初めてだよ」
屈託なく笑う綾香。
アイツにどんな顔して会えばいいのか、わからなくなった。
今日も綾香との後で会う約束を……
「あっ!今、もう六時っ!?……ごめん。人と会う約束があるんだ」
六時に会う約束をしていたコトを思い出し、私は慌てて席を立った。
「あ、うん。わかった〜。また遊ぼうね♪」
「うん。ごめんね」
私は急いでお店を出て、電車に乗った。
なるべく知り合いに会わなさそうな、待ち合わせ場所に向かうために。
丈弘と決めたルールは『他人にばれないようにするコト。そして、本気にならないコト』
本気にならないコト……私は会う前にいつもするように、自分に言い聞かせた。
待ち合わせの駅に着くと、既に六時半だった。
メールをしたとはいえ、怒っているだろうか?
人混みの中、アイツの姿を探し、見つける。
「ごめーん。待たせちゃって……」
「ん、いいよ。ドコに行く?」
丈弘はいつものように笑った。
私はぎゅっと、アイツの腕に腕を絡ませて、最高の笑顔を見せて歩き出す。
「ドコにでも♪とりあえず、歩こう」
ゲームでもいい、丈弘が綾香に叶わぬ恋をしててもいい。今、この瞬間、私は幸せだった。


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