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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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妊婦の日々-5

 ▲▲が言っていることがどこまで本当かはともかく、夫と鉢合わせして、義弟が訪ねて来ていることなど喋られたら迷惑だ。早く社宅を出るのが正解だし、今後はもっと慎重にならないと…。

 「それにしても毎日暑くて困るわね。ウチは1階だから窓を開けておく訳にもいかないし。イチマルニの奥さんとも困ったわねって話していたところなの」
 「そうですよね。ウチは2階だからまだいいですけど、1階でしたらいろいろ心配ですよね」
 「そうなのよぉ。わかってくださるぅ?」

 年甲斐もなく102号室の若妻と同列に治安を憂う素振りを滑稽に感じていたが、窓の話をされれば昨日の義弟とのまぐわいを否応にも思い出させられる。

 「あら、ごめんなさい。こんなカンカン照りなのに、妊婦さんを立たせたままにして。何だかお顔が赤いみたい」
 「いえ、大丈夫です。それでは失礼します」

 立ち去った後でゴミ袋を開けられはしないかとさえ心配になるが、収集車がほどなく来ることを祈って部屋に戻ることにした。

 「ああ、間に合った!」

 3階に住む女がゴミ袋を持って社宅から駆け出してきた。

 「イチマルニの奥さん、妊娠してるんじゃない?」。
 「あら、どうしてわかったの? まさにそうなのよ」
 「やっぱりそうなのね。なんか部屋の中から『オエッ、オエッ』って。あれってつわりよね?」

 部屋に戻って窓から覗くと井戸端会議は終わる気配はない。

 「でも、わかりませんわよ。102の奥様は『オメデタ』ではなく喉奥を使ってなにかいいことでもなさっているんじゃ…」
 「あーら、▲▲さん、それってもしかして『イラマチオ』のことじゃありませんこと?」
 「『もしかして』だなんて、カマトトぶっちゃって。もう」
 「見かけによらずおすきかもしれませんわよませんわよねぇ」

 そんな会話でもしているのだろうか。『102』ではなく『202』の噂話ではないことを祈るばかりだ。

 義弟だったら▲▲は論外でも102の女ならアリだろうか…などと想像してみる。

 (まさかそんなことはないだろうけど、でも、もしかしたら…)

 嫉妬に似た気持ちが湧いて来て自分でも驚く。昨日、義弟が懇願していった話が甦ってくる。


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