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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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妊婦の日々-4

 社宅では毎週火曜日と金曜日の2回、朝8時半までにごみを回収場所に出すことになっている。今日は金曜日。昨晩も深夜に帰宅したにもかかわらず、夫は仕事があると今朝も早くから出勤していった。夫を送り出した金曜日、テレビからは連続テレビドラマが流れ始める。燃えるゴミをビニール袋に詰め込んで階段を下りていく。

 「おはよう、〇〇さん。大きなお腹で大変ね」。

 話好きの女が日傘をさして待ち構えている。ファーストフードの紙袋や包装紙、体液を拭い取った大量のティッシュなど昨日の義弟との名残が詰まった黒いゴミ袋を、中身まで透視でもするかのように見詰めている。

 「おはようございます。▲▲さん」。
 「もうそろそろなんじゃないの? 予定日はいつ?」。
 「来月の終わりくらいです」。
 「102の奥さんもオメデタなんだって。もう聞いてた?」。
 「いえ、初めて伺いました。よかったですね」。
 「旦那さん、支店長代理に昇進して忙しいはずなのに、随分と張り切ったものね」。

 自分が妊娠したかのように顔を紅潮させて、102号室の入居者の話をしている。こちらの妊娠も井戸端会議のネタになっていたことだろう。(相変わらずね…)と軽く軽蔑したときに矛先が向かってきた。

 「昨日、来ていたお兄さん、最近、よく見かけるけど、弟さんか何か?」。

 義弟はこの女には会わなかったと言っていたけど、しっかり目撃されていたようだ。週に何回も来ていれば見つからない方がおかしい。実際『最近、よく見かける』とまで言われてしまった。身体がこわばる。

 「え、ええ。まあ、主人の弟なんですけど、いろいろ様子を見に来てくれていて…」

 背中に冷や汗が流れるのを感じながら取り繕う。義弟があれから昼寝もして家を出たのは夕方の4時半くらい。現れたのは10時半くらいだったから、6時間も滞在していたことになる。

 「え、ええ。昼寝していったので、そんな感じになってしまいました、住んでいるアパートが大きな道路沿いで騒音がうるさいらしくって…」。

 自分でも呆れるような出まかせを言って逃れようとするが、女はあまり信じてもいないように見える。

 「いい義弟(おとうと)さんね。朝から夕方まで随分長いこといらっしゃったみたいで。おネンネしていったんだ?」。

 幼児でもないのに「おネンネ」という言い換えにいやらしい想像が見え隠れしているように思えてしまう。

 「お昼ごはんはどうしたの?」。

 昼食のことまで聞かれるなら、出前でも取ったらよかったかとも思ったが、出前など取ればそれこそ間男を咥え込んだとでも吹聴されかねない。▲▲は義弟を余程つぶさに観察していたようだから、恐らく見られたであろう様子に合わせることにした。

 「〇〇バーガーを買ってきたので、それを食べました」。

 それを食べました…なんて、まさに事情聴取されているようで不愉快だけれど、これ以上何を訊かれるのかという警戒感が先立つ。

 「〇〇バーガーはいいわよね。美味しくて」。

 こちらが正直に答えたものと満足したのか、たわいもない応答にやや拍子抜けしつつ、にっこり笑って頷いておく。

 「一人で食べるよりも誰かと食べる方が美味しいわよね」。

 こちらの自意識過剰であろうが、義弟と繋がったままハンバーガーを食べていたのを覗き見られたような気になる。

 「それにしてもいい男よね。確かにご亭主に似てるわね」。

 (風体は似ていても男性のシンボルは大違い…)と心の中で苦笑する。

 「静かなお昼寝の場所を探しているんだったら、ウチでもいいのよ? お宅、お嬢ちゃんもいらっしゃるでしょ? ウチはわたししか居ないから静かなものよ」。

 (冗談でしょ?…)と思うが、冗談を言っている風でもなく、荒唐無稽な提案に驚く。

 「お気遣いいただいてありがとうございます。来月は臨月にもなるので、娘は実家に預けたんです」。
 「ああ、そうなのね。保育園の迎えのバスに姿が見えなかったわけね。でも、遠慮なくおっしゃって頂戴ね。何かのお役に立てればうれしいから」

 (何から何までよく観察している。それにしても、いったいどんな「お役」なのかと思いながらも、もう生理も上がっているなら、膣内射精を求めて頻繁に通ってくる義弟の役には立つのかも…)などと妄想してみる。

 「奥さん綺麗でしょ。若い男性が出入りして変に誤解されたりしたらいけないから」

 (誤解したがってるのは貴女でしょ…さすがに義弟も断るわよ…)

 「いくらなんでもこんなお腹してますからそんなことは…」
 「ううん、そんなことないのよ。孕んだ女としたがる男って多いらしいわよぉ?」


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