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「下着を脱いできて」
【その他 官能小説】

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「下着を脱いできて」-2

壊れてしまった人形になった気分。
「これ以上一歩も歩けない。どうか助けてください」
そんな気持ちになっていった。
ふたりの関係はこれまでのように対等ではなかった。
無理な要求をした北島さん。
それを飲んだわたし。
これまで感じたこともなかった男性に従うという本能を呼び覚ましたようだった。
「歩けないなら観覧車に乗ろう」
「え?」
こんな状態で密室に閉じ込められるのかと思うと震えるほど怖かった。
「大丈夫だよ。ほら」
北島さんは手を引いてどんどん歩く。
わたしはスカートを抑えながら引きずられる。
階段が不安で立ち止まると北島さんが
「僕が後から守っているから」と背中を押す。
階段をそっとのぼるわたし。
観覧車に乗ると北島さんはにっこり笑って
「よくできました」と褒めてくれた。
褒められるとなぜか嬉しい。
わたしは「うん」と下を向いた。
観覧車から海が見え駐車場の車が小さくなってくると北島さんがふとしゃがんだ。
ぴったり閉じたわたしの膝の前に顔がある。
そして、膝を強く開こうとした。
さすがにわたしは抵抗した。
だって見えちゃうもん。
すると北島さんは手を放して
「ほら、いい子だから、言うこと聞いて。ゆっくり開いてごらん。自分で。」
青い海、白い雲。
そして、北島さんの笑顔。
硬いベンチに座ったわたしは身体の後ろに両手を突いてそっと脚を開いた。
北島さんは満足そうにわたしが一番見られたくないところをじっと見ている。
恥ずかしい。
わたしは震えていた。
震えはだんだん大きくなった。
心がぐちゃぐちゃに混乱した。
声をかみ殺して泣いてしまった。

北島さんが脚をそっと閉じ
「舞さん、ありがとう。大好きだよ」
隣に座って抱きしめてくれた。
北島さんの腕の中で激しく泣いた。
北島さんの激しい鼓動も聞こえた。
この時、少しだけシアワセって言葉を思い浮かべた。

観覧車を降りスカートを押さえながら公園内の小道を歩き疲れ果てたわたしは北島さんの車に乗った。

暑い夏の日の恥ずかしい体験。
一生忘れられないと思う。


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