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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第二十一章 最後の闘い-3

※※※※※※※※※※※※※※※

ルナ達は慎重に機会を伺っていた。
出来るなら、他の者を巻き込みたくはなかったのだ。

アズートが城を出て教会に現れるのを待つ事にした。
城の中だと、どうしても兵士達と戦う事になる。

アズートに操られた兵士達は、たとえルナと解っていても挑んでくるであろう。
心の優しいルナは、どうしても避けたかった。

だが、そんな事は水晶玉を通して見ているアズートには、手に取るように解っていた。
日の暮れるのを待って、わざと忍ぶように王妃を連れて城を出た。

「あっ、アズートが来る・・・」
ディオンの指摘に目を凝らしたルナは声を出した。

「お母様・・・」

ルナは焦った。
アズート司教に操られている母ともし、戦う事になってでもしたらと思うのだった。

しかし、このチャンスを逃す事は出来ない。
アズート達が教会に入るのを見届けると、二人は暫らく待った後に教会に忍び込んでいった。

勿論、見張りの衛兵は催眠術をかけて眠らせた。
日の暮れて薄暗くなった教会の中、足音をたてないように慎重に入っていった。
しかし祭壇を見たルナは、思わず声を上げてしまった。

「ああっ、お母様・・・」

祭壇の上に、後ろ手に縛られた母が横たわっていた。
すると、その後ろから眩しいばかりの光を漏らして、アズートが扉から出てきた。

「アズートッ・・王妃様に何を」
ディオンの叫び声に、アズートは皺がれた顔を崩して楽しそうに言った。

「これこれ、ディオンよ・・・。
 司教を呼び捨てにするとは何事じゃ」

余裕のある表情の司教に対して、ディオンは怒りで顔を真っ赤にしている。
崇拝する王妃の姿を見て、頭に血を昇らせていた。

「あっ、ダメよ・・ディオン・・・」

ルナの止める声も若者には聞こえなかった。
腰から自分の剣を引きぬくと、真っ向から司教に挑んで行った。


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