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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第六章 不思議な力-2


(いつからだろう・・・?)
ルナはこの自分の不思議な力に、何時も戸惑ってしまう。

幼い頃から鳥や獣と話が出来た。
母に聞くとジューム人の力だという。

でも危険な力なので絶対に人に見せてはいけないという。
ルナも滅多に使わなかったが、コッソリ勉強を抜け出してディオンと遊びに行く時等に、何度か使った事がある。

しかしそれは目くらまし程度の物で弱い力であった。
十五歳の成人式を迎えてから、急に力が強くなったように思える。
術をかけられた者達も、それを覚えていない程であった。

(でも・・・)
ルナは一つだけ不安であった。

昨日のディオンとの口づけは、この力のせいではないと思いたかったのだ。
ディオンから聞かされた言葉は、本心であると思いたい。

いくら父のためとはいえ、もう二度とこの力を使うまいと決心するルナであった。
教会の中の大講堂は誰一人いなくて、ひっそりと静まり返っていた。

司教の姿もなかった。
ルナの靴音が長く響いていく。

ルナは像の前にくると膝まずいた。
暫らくの間、目を閉じて祈りを捧げた。

どれくらい時間が過ぎたのであろう。
夕暮れが更に教会の中を暗くしていった。

ふと気が付くと、大講堂の脇の扉から光が漏れていた。
そこは何時も閉ざされていて、ルナも入った事がなかった。
ルナはフラフラと、その光に誘われるように近づいていった。



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