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ヤクトリの女
【熟女/人妻 官能小説】

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囮捜査-2

タクシーが支部に着くまで目を閉じていた真理子は、支部に入ると厳重な生体認証を含むダブルチェックの入館手続きを経てようやく自分の捜査課にたどり着いた。

自分の席でパソコンで情報をチェックする、海外から送られて来る物も有る。毎日確認しないと重要な情報が入っている場合も有った。そして、今捜査中の痴漢の囮捜査の連絡も送られて来る。

緊急や成果が有った場合は、スマホにすぐに連絡が入るのだが、何も無い場合でも日報的な報告が送られてくるのだ。それを真理子がまとめて部長のパソコンに送るのだった。

捜査課を4チームに分け、薬物を使った痴漢が起こった二つの路線に絞り、早番と遅番の2チームで始発から終電まで囮捜査をしているのだ。早番のチームの一つが単独の痴漢を検挙して鉄道公安課に引き渡したと有る。真理子は溜息を付き、

(電車って、こんなに痴漢が多いなんて知らなかったわ。)
(私は、バス通学や自転車を使っていたから痴漢された経験が無かったのかしら。)

とうんざりする。毎日の様に痴漢を検挙している。痴漢検挙も十分に意義のある事だと分かっていたがツープッシュ捜査が進まない事に焦りと苛立ちがそう思わせていた。

部下から他の路線に当該の痴漢グループは移ったのではとの意見が有った。だが他の路線ともなると首都の蜂の巣の様に張り巡らされた鉄道網では見当を付けるのも雲を掴む様な話しだった。

真理子は以前に会議で一緒になった鉄道公安課の知り合いに聞いた話しでは、痴漢は他所に移っても成功体験の有る路線に戻る事が多いと聞いていた。

部下達にその話をして、もう少し続けようと励ます。部下達も他に当ても無い為だろう、仕方なく同意した。

真理子は、通常現場に出ない。だが今回は人手不足でチームに入り、チームリーダーも兼ねていた。他課も忙しく応援も頼めないのだ。

真理子は、今回の捜査の為に捜査課に置かれた姿見を何とは無しに見ていた。囮役の女性捜査官用に持って来たのだ。忘れていたかの様にハーフアップに束ねていた髪を解く。薄い茶髪が肩口に掛かる。

ヤクトリは、内偵捜査や潜入捜査で被疑者に近づく事も多く余り畏まった服装や髪型は推奨されない。真理子も現場に出向くので一般の同世代の女性の様な服装、髪にしている。姿見に写る自分を見ながら、

(そう言えば、一度私に痴漢して来たわね。)
(こんなオバさんでも、そんな気になるのかしら。)

と笑った。当然、その痴漢は逮捕したが。また、遅番の囮捜査の時には酔っ払いに、

「あんた、良いカラダしてんな!」
「デカパイにでっけえケツが、堪んねえ。」
「ヤらしてくれ!」

と絡まれた事が有る。捜査中なので無視していたが近くの部下達は笑っていた。96cmのバストは高校生になる前位から大きくなり目立つ。服装も気を付けているが隠しきれない。

そして、86cmのお尻も男性の目を引く様だ。ウエストは、元々太めで子供を2人産んだ後は更に肉付きが良くなっていた。東京生まれの東京育ちだが、卵型の小顔でクルッとした目はどこかエキゾチックな雰囲気があり、ハーフと間違われる。真理子は姿見を見ながら、

(早く、薬物痴漢魔来ないかしら。)
(部下達の集中力も切れつつあるわ。)

と思っていた。そして、時計を見て急いでオートロックのドアを出て行く。明日の捜査に備えて睡眠を十分に取らないといけないのだ。


 佐山銀三は、その電車の車両に入ると程なく警察が張っていると気付いた。警察がいくら、一般の民間人を装っていても分かるし、張っている時は雰囲気で察知出来た。

60にあと少しで手が届く年齢だが、長い痴漢キャリアでも危ない事は有ったが逮捕された事は無い。銀三の察知能力を仲間からは、超能力?とからかわれる事も有ったがグループのみんな銀三に絶大な信頼を寄せている。

銀三は、スマホのメッセージでサツがいるので今日は止めようと連絡係のイチに送ると暫くして同意の返事が来た。イチがみんなにその事をメッセージで伝え、反対する者もいなかったのだろう。

いつもの様に全員で一斉に降りる事はせず、一駅で1人2人と少人数ずつ下車してこれもまた、いつも通りに最後は銀三だけになった。

銀三も降りようして、気が変わり止めた。何か違和感を感じたのだ。もう少し、警察が張っているこの車両を観察しようと思った。暫く様子を見て分かって来た。

(この車両のサツの連中は、慣れてない。)
(いつも、張っている連中とは違う。)

と気付いた。

(囮役の女は、派手過ぎる。その割には、化粧が追い付いていない。)

とかなり丈の短いミニスカートで金髪の女性を見る。しかし、顔のメイクは薄く大人しめだった。

(普段してない格好だから、ボロが出てるな。)

と思い、周りをさり気なく見て

(そして、逮捕役の男達も囮を見過ぎだ。)

と何人かのサラリーマン風の男達が度々、囮役の女性に目をやるのを確認する。女を物欲しそうに見る時は女の脚などを見るが、この連中は見方が違う。女の周りなどに視線が向いているのだ。

(まあ、心配なのは分かるが。)
(そんなキョロキョロしてると、囮捜査してますよっと教えている様なものだ。)
(慣れた痴漢ならすぐ気付くな。)

と銀三は笑う。そして疑問が湧いて来た。

(何故、いつもの連中じゃ無いんだ?)
(ここの連中は、単なる応援か?)
(この路線ともう一つの路線は、最近サツが連日張っていると聞いた事がある。)

と思い、噂でベテランの痴漢達は二つの路線を避けていると言う。片っ端から捕まっているのは、まだ新人の慣れて無い奴らばかりだとの話だ。



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