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愛欲の日々 -心と身体-
【熟女/人妻 官能小説】

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智司(二.)-1

 夕方六時、智司は帰宅して玄関のドアを開けると、家の中は明かりが灯っておらず、しんと静まりかえっていた。
 リビングのとびらを開けると、ソファの上で寝息を立てながら眠る母の姿があった。
 照明のスイッチを入れると、母はあわてて起き上がり、「いけない、もうこんな時間、洗濯物を入れないと」と言って立ち上がった。
 テーブルの上には錠剤の束が入った白い紙袋と、空になったコップが置いてあった。
「また片頭痛?」
「うん、薬をのんで横になってたら、つい眠っちゃったのよ」
 母はいつも季節の変わり目や雨の日などに片頭痛をうったえることがあった。
「晩御飯、ちょっと遅くなりそうだから、先にお風呂入っててくれる?」
 言われるまま智司は脱衣所にむかい、服を脱いで風呂場に入った。
 蛇口をひねり、シャワーのお湯を出そうとしたそのとき、湯船の縁にピンク色のくたっと萎れたものが垂れ下がっているのが目に入り、なんだろうと思って手に取ってみた。
 それは薄いゴムのようなもので、テカテカと光り、表面を触ってみるとぬめっとした感触がする。
 智司はハッとした。
 十三歳とはいえ、思春期真っ盛りである。智司もパソコンやスマートフォンでそういった性的な画像や動画は見たことがある。
 なので、それが男のつける避妊具であることはすぐにわかった。もっとも、実物を見たのはこれがはじめてではあるが。
 ――ということは、ここで誰かがそういった行為をしたということになる。
 まっさきに思い浮かんだのは姉の明日香だった。
 いつも帰りが遅く、彼氏がいるのではないかと父や母も心配していたからである。事実いたとしてもおかしくはないし、誰もいないあいだに彼氏を家につれこみ、ここで行為をしたということはありえる。ちゃんと後片付けをしないところも姉らしいといえば姉らしい。
 ほかに可能性があるとすれば母だが、それはあまり考えたくはなかった。
 父と母がまだそういった行為をするのかどうかはわからないが、あまり想像はしたくない。
 ただ、父も帰りが遅いとはいえ、ちゃんと毎日家に帰っている。それに休日は家にいることも多いため、最近そういったことがあったとしてもまったく不思議ではないだろう。
 どちらにせよ、智司にとってはあまり愉快なことではなく、風呂場のとびらを開けると、脱衣所のゴミ箱にその避妊具を投げ捨て、そのまま何事もなかったようにシャワーをあびた。


 リビングにもどると、まだ夕飯の席は整っておらず、しかたないのでソファに座ってテレビの電源を入れた。
 さきほどの避妊具について母に報告しておこうかと思ったが、結局口に出すのはやめた。
 母との仲は悪いわけではないが、まだそういった性に関する話題を親子のあいだで口にするのは抵抗があった。それにもし犯人がほんとうに姉なら、これをきっかけにまた親子喧嘩に発展するかもしれないと思ったからである。
 しばらくするとようやく夕飯の準備が整い、智司と母は食卓についた。
 母はしきりに学校のことや部活動のことなどをきいてきたので、智司は適当に返事をしておいた。頭のなかは別の考えで占められ、母の話などまったく入ってこなかったのである。
 そのとき、姉の帰宅する音が玄関から聞こえてきた。
「夕飯は?」母がたずねると、
「いらない、食べてきたから」と、姉はつっけんどんに言い放って二階の自分の部屋に行ってしまった。
「まったく、しょうがない子ね。あら智司も、もういいの?」
 あまり食欲がなかった智司も早めに夕食を切り上げ、二階の自分の部屋に上がっていった。


 部屋に戻って就寝する時間になっても、智司の胸のもやもやは晴れることがなく、なかなか眠りにつくことができなかった。
 原因はやはり風呂場で見かけた避妊具だった。いったい誰がいつ、あそこでそういったことをしたのか、気になって仕方がなかった。
 しばらくベッドの上でゴロゴロしていると喉がかわいてきたので、智司は部屋を出ると一階のキッチンにむかった。
 もうみんな寝てしまったのか、家の中は薄暗く静まり返っている。
 姉の部屋の隙間から明かりが漏れていたので、まだ起きているようだったが、物音はひとつも聞こえてこなかった。
 冷蔵庫を開け、ジュースをコップにそそいで飲み干すとようやく気持ちが少し落ち着いた。
 父と母の寝室の明かりはもう灯っていない。物音もまったく聞こえなかった。
 智司は階段をのぼって自分の部屋に戻ると、電気を消して就寝した。


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