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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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裏切りを重ねて (1)-5

 気持ちが拒否しても、身体は反応してしまう。ゆきの意に反しいやらしい声が漏れ、尻がくねり、乳房が揺れる。尻を掴まれ後ろから突かれれば、人妻のむっちり熟れたヒップと男のたるんだ下半身の贅肉は派手な音を奏で、密室の空気を震わせる。いやだ、聞きたくない、聞かせたくない。

 パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン――。
「ぁ……! ん……! ぁん……! ん……っ! っ……! ぁ……! ん……!」

 男女の愛の共同作業でしか発し得ぬ、羞恥の音律。
 会社の上司と二人で、なんで私はこんな音をさせてるの? 嫌だ、嫌だ、助けて――。

 パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン――。
「ぁ……! ん……! ぁん……! ん……っ! っ……! ぁ……! ん……! ぁん……! ん……っ! っ……! ぁ……! ん……! ぁん……! ん……っ! っ……!」

 打ち鳴らされる恥辱のリズムにあわせて漏れ出る、女の声。やめて。そんなにいやらしく可愛らしい声を出さないで。
 自分が可愛く鳴けば男は悦ぶことをゆきは経験から知っている。Wのことなど愉しませたくないのに。こんな音、させたくないのに、でも我慢できない。望まぬ異性のペニスで、私はこんな声を上げさせられている――。
 四つん這いの姿勢で高く突き出た人妻の尻が、気持ちよさに悶えている。白い尻の中心に咲く、薄茶色の小さな花。夫以外には決して見せてはいけないはずの可憐な窄まりを、惜しげもなく晒している。男は下卑た笑みを浮かべ、人妻は屈辱にまみれ堕ちていく。

 Wは会うたびに、若く美しい部下をさまざまな体位で味わい尽くす。人の妻を、まるで我が物のように陵辱する。

 ラブホテルの大きな鏡に映し出される自らの肢体。自分でも、なんとも美しくエロチックな肉付きになったと感じる。透き通るように白く滑らかな肌、前につんと膨らむ乳房、後ろにきちんと突き出たヒップ、うっすら脂肪をまとった下半身。
 可愛くて綺麗で、少しエッチなこの身体を、ゆきは気に入っていた。大好きな自分の身体。本当は、大好きな夫に愛してほしかった。永遠の愛を誓った、たった一人の男性に、この身体の隅々まで愛撫され愉しんでほしかった。それなのに――。

 今、自分の身体を愛でるのは皺がれた手をした会社の上司。ねちっこく全身くまなく撫でまわし舌を這わせてくる。乳房や女性器は言うに及ばず、顔、脇の下、爪の隙間、足の裏、足指の間まで、もはやゆきの身体中どこを探しても、Wのおぞましい唾液が塗りたくられたことのない場所など存在しなかった。上司の舌は美人部下の股間の茂みをかきわけ、花びらの一枚一枚、肉襞の一つひとつを丁寧になぞり、会陰を伝い肛門へ至る。

 肛門への嗜虐は、ゆきにとって地獄の時間であった。
 女性の身体のもっとも恥ずかしいその場所、きゅっと締まった可憐な窄まりを指先で揉まれ、舌で押し拡げられ唾液を塗り込まれる。唇と舌を駆使してマッサージされるとやがてゆきの尻穴は弛み、意に反してWの舌を受け入れる。
「あぁ……そこはだめ……そっちは……やめてください……ぁあ、だめぇ……!」
 自らの口から発せられる悲鳴は、おぞましさからくる嫌悪の悲鳴だと、ゆきはそう思いたかった。しかし心のどこかでは認めていた。肛門を陵辱され感じている自分自身を。

 今度こっちの穴も犯してあげると言われた。ぞっとした。なのにそのための準備だよと尻の穴に指を二本挿し込まれ、クリトリスを同時に刺激されれば、身体は自然とオーガズムに向け昂ぶっていく。昔Fにも、同じことを言われ同じように尻の穴を開発された。結局、最後まですることなく別れてしまったが、その続きを、私は職場の上司とするのだろうか。嫌だ、嫌だ。

 上司の男と交わるたびに、美しい部下の肛門の皺と直腸細胞一つひとつに新たな性感が刻まれていく。今ではもうアナルへの刺激のみで女性としての悦びの頂点に達することができるようになってしまった。
 次に会うとき、ゆきちゃんのアナルヴァージンをいただくよと、ついに宣言された。もう私は拒否できない。そういう身体に、されてしまった。まもなく私はお尻の穴に、夫以外の男性のペニスを挿れられてしまう。

 もう、いいや。どうにでもなれ。
 Gくんの言っていたとおりだった。私はパートナーとうまくいっていないと、他の男性で心の隙間を埋めようとする。こんな人で埋まるはずがないのに。男の人なら誰でもいいのかな。セックスができれば誰でもいいのかな。気持ちよくなれれば、お尻の穴でもしちゃうのかな。

 本当は、そんな自分はやっぱり嫌だ。



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