俺のM女調教日記(32)-1
美しく上品な女は、俺と言う男の調教を始めて受けて、
大きく変わろうとしている。
美佐恵という女にとっては大変なことになるだろう。
それは、これからの彼女の生き方に大きく関わってくるからだ。
或る種、富豪の家の夫人としての立ち位置に関係するかもしれない。
俺の「愛奴」になりたいと言う決心をしたのは彼女自身だった。
あの日、美術館で会った彼女が言った言葉は本心なのか、
そのときの雰囲気で思わず言ってしまったのか……。
それを確かめるために、俺は少し時間を置いて待っていた。
そして数日経ってから俺が電話をしたときに、
美佐恵の決心に揺ぎはなかった。
俺は正直に言うと、それを多少は期待はしていたが、
美佐恵が出したその結果に俺自身も満足した。
こういうレベルの女と出会うのは久しぶりだからである。
かと言って、それゆえに調教に手加減をするつもりは無い。
どんな女でも、裸になり縛られれば素直に、恭順の態度を示すからだ。
案の定、美佐恵はまだ始めたばかりの調教で、
だらしのない姿になっている。
俺が打ちつけたバラ鞭で感じ、朦朧とした顔で口から涎を垂らし、
その後で尿を太股に漏らしていた。
そのときの顔さえも恍惚になっていた。
美佐恵のそんな顔を姿を、今迄の美佐恵を知る誰が想像するだろうか。
今、耐えきれずに、ついに美佐恵は床に崩れ落ちている。
綺麗に結っていた栗色の髪の毛は、俺の手で掴まれて乱れていた。
その顔は、口を開けたままで放心状態になっている。
身は定まらず、
目は虚で、ポカンとした口はだらしなく開いている。
しかし、美佐恵でなくてもこうなれば、どの女もこのようになる。
俺は床に崩れている美佐恵の前にきて座った。
「よく頑張ったな、美佐恵」
「は、はい……ご主人様 、恥ずかしいです、こんな格好で……」
「いや、お前は良く頑張ったよ、それこそ俺の愛奴だ」
「あぁ……ありがとうございます」
そう言って、美佐恵は俺にしがみつき泣いていた。
俺は黙って、熱くなっている裸の美佐恵の肩を優しく抱き寄せ、
唇を重ね、キスをした。
汚れていても身近で見る顔は美しい。今は涙で汚れてはいるが。
(あん、ご主人様 ……)
俺は、ぬるっとした美佐恵の舌を舐め吸い、唇を交互に絡めていた。
「う、嬉しいです、ご主人様 、美佐恵こんなに幸せな時はありませんでした」
「そうか」
「はい……あの、ご主人様 、聞いて下さいますか?」
急に真剣な顔つきになった美佐恵を俺は見つめた。
何を言おうとしているのか、俺にはその目がある決心をしたように見えた。
美佐恵のその決意は、後で俺を驚かせることになる。
「良いよ、言ってごらん」
「はい、美佐恵はご主人様 の愛奴にさせて頂きました、ありがとうございます」
「うん、それで?」
「はい、そうなりますと、どうしてもそれを夫に隠すことはできません、
ですから離婚をすることにします」
「えっ……それは、ちょと待ってくれ」
俺は美佐恵から、そんな言葉を想像をしていなかったからだ。
「はい」
俺の目を見つめる美佐恵の顔は真剣だった。