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癒してカッコウ
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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三枝史佳-1

【三枝史佳】

バイトの無い日はアパートの廊下や階段を念入りに掃除する。

これでも一応大家なのでアパートの管理は手を抜かない。

ほうきで廊下を掃いていると三枝さんの部屋の前で大きな物音がした。


どんがらがっしゃーん!

バシン!

「きゃああ!」


何かを叩く音と女性の悲鳴が聞こえてからしばらくして

三枝さん宅のドアが乱暴に開かれ、小柄な男が出てきた。

「やあ、管理人さん。ご苦労さんですな」

三枝さんの旦那が笑顔で俺に挨拶する。

そして酒の匂いをさせながらフラフラッと外へ向かった。


(んーと、奴はDV夫ってわけか・・?)

三枝さんは小柄で人の良さそうな人なのだが

どうも家庭内では酔って暴力を振るうみたいだった。

おそらく外で自分より強い者には卑屈になってしまうストレスを

奥さんで発散してるってところか?

(最低だな・・)

俺は三枝の奥さんが心配になったので

まだ鍵がかかってない玄関のドアを開けて中に入ってみた。

「あのー、大家の河口です。三枝さん大丈夫ですか?」

部屋の中は薄暗かったが目を凝らして見てみると

奥にあるテーブルの周りに割れた瓶やグラスの破片が見えた。

「あ、管理人さん」

椅子に座ったまま虚ろな瞳をしたこの家の奥さん「三枝史佳」が力なさげに返事をした。

今年29歳になる史佳は色白というより蒼白な顔を俺の方へ向けた。

痩過ぎで頬がこけてるせいで幸薄そうな印象を与えるが

顔立ちの整った美人タイプだった。

(あんなDV夫にはもったいないよなー)

三枝家にはまだ子供が居ない。

二人だけの生活を楽しむつもりなのかも知れないけど

ああいう風に酔って暴れる夫じゃ

落ち着いて二人の時間を過ごすことも出来ないんじゃないか。

「見苦しいところをお見せしてすみません・・」

精気を失った声で話しながら散らかった破片を片付ける彼女は

なんというか世の中の全てが面倒になったような

活力のない雰囲気を醸し出していた。

(可哀想にな・・)

俺は無言で彼女を手伝う。

「あ・・」

史佳が何か言いかけたけど、気力が湧かないみたいでそれ以上は何も語らなかった。

一通り整理して掃除機をかけたら意外に小綺麗な部屋だという事に気が付いた。

史佳かDV夫かは知らんがセンスは悪くないようだった。

「すみません、手伝って貰っちゃって」

「いえいえ、大家として力になれたなら幸いです」

「・・・夫のことなんですけど、お酒さえ飲まな・・」

「ああ、それ以上言わなくても良いですよ!奥さんこそ自分の事だけ考えて下さい。

人間そう簡単に変わるもんじゃないですから、旦那さんのフォローなんかするより

奥さん自身がなるべく幸せになれる方法でも考えた方がいい」

俺の配慮のこもった言葉を聞いた史佳の顔が歪み、鼻がピンクに染まった。

「ふぇぇぇ・・うぇ、ふぇぇん!」

ボロボロと泣き崩れる史佳。

今まで相当溜め込んでいたんだろう。

俺は史佳をそっと抱き寄せ髪の匂いを嗅いだ。

フローラルなシャンプーの良い香りがする。

(この人妻を癒してやりたい!)

ふいにそう思った俺は腕の中で泣きじゃくっている史佳の胸を鷲掴みにした。




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