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島の少女(海女編)
【ロリ 官能小説】

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1)島へ-2


「 まあ、立ち話も何だから、組合まで来てもらおうかな。 後ろに乗れる? 荷物も少なそうだし… 」
そう言われて、ノーヘルの事とか、スクーターに対する疑問が湧いてきた。目の前に有るのはどう見ても50CCの原付で二人乗り出来る機種では無い。
でも、その懸念は不要だった。失礼の無い様に言葉に気を付けて質問すると、この島の道路は、国や県の『道路』と認定されていないので、運転に関する法律が適用されないのだそうだ。言うなれば、自分の家の庭で無免許運転をしても罪にならないのと同じ事らしい。もっとも、この組合長は原付免許は持っているそうだ。

まあ、ゆっくり走るから、心配しないで…

そう言われて、あらためてリュックのふたを閉め直して、後部座席の無い原付のシートの後ろ半分に乗る。組合長の小太りの背中に押されて乗りにくいし、相手がおばさんと分かっていても女性には違いないから、密着するのは遠慮がある。
その雰囲気を察してか、組合長から「しっかり座って、私の腰つかんで。太いから手が周ればだけどね、はははは…」と言われて、思い切って言われた通りにした。見た目以上に弾力とボリュームのある身体に、自分の痩せ型の身体が埋まってしまう感覚に見舞われる。それに、見た目のサバサバした印象とは正反対の、石鹸の様な香りがする。

「言われた通りにしてるんだから…」
そう心に言い聞かせながらも、こんなおばさん相手に何をドキドキしてるんだ、と自分の感覚のブレを修正できないまま、スクーターは進んで行った。
走りながら、組合長は見えてくる場所の説明や雑談などをし続けていった。
「 でも、雄一くんって若いねえ。 社会人だと思ってたけどまだ18ぐらい? 学生さん? まさか高校生? 」

満23歳の雄一であるが、組合長の話は正しい。童顔である事と、見た目が世間ずれしていない事から、どこへ行っても10代に間違われる。先月は中学生に間違われたぐらいだから、組合長の感覚はマシな方だ。
でも、決してガキっぽい訳では無い。若く(?)見えるだけなのだ。
雄一は、高校を卒業するまでは、ずっとクラスでも目立たない方だった。大人しいというのか、顔にクセが無いというのか、とにかく目立たない。どちらかと言うと目鼻立ちはきれいなのだが、やはり地味なキャラだった。
しかし、年上からはモテた。高1の春、15歳の時に、アルバイト先の店で一緒だったアラサーに誘われて、早々に経験を済ませているし、その後も、常に複数の年上のセフレがいて、そっちの方は困ったことが無かった。
それでも、クラスの同い年の女子には見向きもされなくて、誰もが童貞くんだと思っていたはずだ。

ただ、組合長の質問は、ただ単純に「若い」という感想を話しているだけの様で、社会人の仕事なのか、学生の趣味なのか、その辺りを聞いている気がした。
なので、満年齢と、映像を学んだ専門学校の名前を言って、依頼された仕事である事をあらためて話すと、組合長も、そう言えば電話でそんな事を言っていた様な、とある程度は納得してくれたようだ。
雄一としては、遊びに来ているのではない事が伝わったので、少しほっとした。

ブレーキの音とともにスクーターが停まった。組合の事務所に着いたようだ。ここまで、1度も対向車に会わなかったので、こんな運転でも問題ない事がよく分かる。
海女組合はプレハブの簡単な建物だった。「組合と言っても、特に厳格な組織では無くて、ただの寄り合い所みたいなものだから」と言い訳みたいに組合長が教えてくれる。でも、中は想像よりもきれいで、部屋の隅には来客用のソファーも有り、雄一と組合長はそこに向かい合って座った。
「 雄一くん、ちょっとこの島のルールを話しておくね 」と、組合長が教えてくれたのは、次の様な内容だった。

まず、今のこの島は、観光用の浜と仕事用の岸にはっきりと分けられているそうだ。
シーズンには海水浴客も来るし、海女による獲れたての海産物も、この島の人気の1つとの事である。しかし、海女にとっては、まず、しっかりと獲物を獲れる環境が必要なので、もしも漁場に一般人が出入りしたり、無意識で密漁されたりすると様々な問題が生じる。
そして、観光客のイメージする海女の姿と、今の実際の海女は、かなりの違いがある。
主に衣装の問題になるのだが、一般人が思う海女は、映画などの影響で、白いショートパンツに白い長そでシャツ、その上にかすりの着物を着て足袋を履く、というものになっている。
ただ、実際には着物を着て潜るのは難しく、足袋も(岩場で怪我を防ぐ効果はあるけれど)泳ぐのには向いていない。今ではウェットスーツを着て、肌をさらさないのが普通だ。

だから、観光客の前に現れる海女は、皆のイメージ通りの服装で獲物を獲ってくる事が必要になってくる。
一時期は、観光専門の海女を募集した事もあったのだが、観光用と言っても海女の技術を身に付けるのはとても大変な事なので、結局は育たなかった。
なので、今の観光海女は、(比較的)若手の海女の中から順番に当番制で行っている。その運営は海女組合でしているので、組合の意味も少しはあるようだ。
けれど、海女の本業は、専用の漁場でしっかりとした服装を着て(でも酸素ボンベは使えないので素潜りのみ)、しっかりと獲物を取る事である。その為には、観光客の立ち入らない漁場の確保と、ウェットスーツ姿を見られない事も必要になってくる。イメージを壊すからだ。
そのため、この島では、観光エリアと海女エリアを明確に分ける様になっていて、一般人の海女エリアへの侵入は禁止されているし、海女エリアの住民が観光エリアに立ち入る事も、観光海女当番や港から島外へ出る時など、例外を除いては自主規制している。


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