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お江戸のお色気話
【その他 官能小説】

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お江戸のお色気話、その10-1

江戸の下町にある裏長屋には、夏の暑さを吹き飛ばそうと、
その裏長屋の住民たちが集まっていた。
人が集まれば、大概はお色気話と相場が決まっている。
しかも、子供を寝かしつけてきた、女房たちも何人か集まっていた。

女達もこの暑い夜に、夫から夜の営みを求められても、
到底その気にはなれない。
そんな時に、裏長屋の長老の家で面白い話があるらしいと聞いて
そこの住人達がやってきていた。

夏の盛りの風流話として、
色気の話しを始めたのは、金吉という冴えない遊び人の男である。 

金吉は箸にも棒にもかからないような男だったが、
金貸しの主人から、借金の取り立ててくるように言われていた。

たが、主人から言われて行ったその家は元武家の奥方であり、
自分の身体を与えるから、借金は待ってくれと言われ、
人の良い金吉は、女に誤魔化されてしまった。

しかし、後家とは言いながら、女としての色気は申し分なく、
借金の代わりに性交させてもいいとその美しい後家に言われ、
もともと好き者の金吉は金を受け取る代わりに、後家と交わった。

だがそれだけではなく、金吉と母親との情交を垣間見ていた美しい娘まで、
その身体をいただいてしまった金吉は、その話を得意げになって話していた。

裏長屋の男達はその話に男の太マラを太く熱くし、
又、股間を濡らしながら女房達も同じように、
熱心にその金吉のエロ話に耳を傾けていた。

夜は更けていったが、誰一人として部屋に戻る気配がない。
そういった長々とした金吉の話が終わったときに、手を挙げた男がいた。
それが与太吉である。

「あの……さっきの金吉さんの話は面白かったが、俺のはもっと凄いのがあるよ」
と大工の与太吉は次は俺の話だ、とばかりに手を挙げた。

その部屋の主である長老は、皆の顔を見つめながら言った。

「さっきの金吉の話は色っぽくて面白かったが、今度は与太吉が話そうと言っている。
それを聞いてみようじゃないか、どうかな皆の衆?」

そのとき、左官屋の為吉が与太吉に聞いた。
「なあ、与太吉、お前の話は本当に面白いのかい?」

「そうさ、面白いってもんじゃない、
これを聞くと為さんのちんぼがおっ立つこと間違いないさ!」

「じゃあ聞いてみようじゃないか、なぁみんな?」
「そういう話なら、俺も聞いてみたい」

「あたしもよん、与太さ~ん」
どこからか、色っぽい女の黄色い声が飛んできた。
「おいおい、八百屋の女房のたまが、聞きたいんだとよ!」
「あはは……」
この長屋の住人達はよっぽどエロ事が好きな連中らしい。




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