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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩み7 〜Summer Vacation〜-14

 最奥まで突き進む度に秘所から溢れ出す愛液が太股を伝い、内股をぬらぬらと光らせている。
 次々溢れ出る蜜汁と深く突き上げる肉棒とで結合箇所の狭いスペースを取り合っているため、どうしても流動性の高い愛液の方が流れ落ちてしまうのだ。
 体をかがめ、龍之介は美弥と口付ける。
 美弥も、キスへ積極的に応えた。
 互いの舌や唾液を味わいながらも、龍之介の腰は精力的に跳ね踊る。
「んぅ!ふん……んぷふん……!ん、んん!」
 感じるポイントを知り尽くしたその動きに、美弥は鼻から声を抜けさせながら必死で応えた。
「ふぷ……ん、んぐ……!」
 美弥の腰や淫裂に、絶頂が近い事を知らせる痙攣が走り始める。
 既に傷が付いている背中に爪を立てるのは躊躇われたか、美弥はシャツをぎゅっと握り締めた。
「ふっ……っっ!!」
 そしてとうとう、限界を突破する。
 龍之介もまた、美弥の体内で熱いエキスを開放した。
 ずるんと崩れそうになった美弥の体を抱き抱え、龍之介は切り株に腰を下ろす。
 至福の満足を顔中に浮かべ、美弥は龍之介にしがみついた。
 ゆっくり熱と夢見心地の冷めてゆく美弥の体を、龍之介は慰撫する。
「んふふ」
 くすぐったい後戯の手を受け入れながら、美弥は微笑んだ。
 ようやく龍之介と抱き合って、満足至極な心境である。
 が、体を触れ合わせる事に夢中で気付かなかった問題が、気になり始めた。
 
 プ〜ン……
 
 虫よけローションや携帯蚊取り線香をもってしても追い払えない、にっくき吸血生物の羽音である。
 今は二人揃って汗をかき、なおかつ激しい交わりのせいで体温が上昇しているから、彼女らにとってはまたとない獲物のはずだ。
「……戻ろうか」
 龍之介の言葉に美弥は頷き、多少おぼつかなくはあったが自力で立ち上がる。
「あっ……」
 立ち上がった瞬間、美弥は思わず声を出してしまった。
 ごぷっ……と、体の奥から交わりの残滓が溢れ出てきたのである。
 濃厚な香蜜が大量に、内股を伝って膝の方まで滴り落ちた。
「うぅ……」
 こんなに濡らしてしまうとは……何だか、無性に恥ずかしい。
 龍之介は後回しにしていた事を始末すると、美弥の体に手をかける。
「戻ったら、お風呂入ろうか」
 
 
 美弥と龍之介が寄り添って戻ってきたのをあてがわれた部屋のベランダから見た紘平は、小さく鼻を鳴らした。
 二人揃って頬が上気し、美弥の方は足取りにおぼつかない所があるから、ナニをしてきたのかは想像力が貧困でなければ予想がつくだろう。
 そして紘平は、さほど貧困な想像力の持ち主ではない。
「紘平?」
 ベランダに顔を出した瀬里奈の声で、紘平は我に返った。
「ん?」
 振り返ると、月明かりに照らされた瀬里奈が傍にいる。
 蒸し暑い夜がラフな服装を寝間着にさせているが、その美しさは疑いようがない。
「お前だったら、日本代表でミス・ユニバースに出場できるかもな」
 思わずぽつりと漏らした呟きに、瀬里奈は軽やかな笑い声で答えた。
「無理よ。外見はともかくとして……あたしの英語の成績、知ってるでしょ?」
 紘平は、思わず舌を出す。
「それがあったか」
 語学は、割と切実な問題だ。
「それより……中、入りましょ。蚊に食われるのはごめんよ」


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