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[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

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腐食していく二人-3



背後の男が差し出してきたスマホの画面には、信じられない事に、自分のスマホの中に保存されていたはずの写真が映し出されていた。
そこには明日香と彼氏である斗真が、互いの顔を近づけて自撮りした仲睦まじいツーショット写真があった。

何故、あの写真がこの男のスマホの中に……。

いや、断片的な記憶を辿れば、拉致された直後の車内で、指紋認証でスマホのロックを解かれ、いろいろと調べられたような気がする……。

恐怖と混乱が作り出した悪夢だと思っていた記憶は、現実だった……明日香の視線は落ち着かなくなり、その動揺は誰の目にも明らかであった……。


『コイツが彼氏かあ?他にも男の写真があったけどよお、一番ラブラブなのはコイツなんだよなあ?』


いま明日香と付き合っている斗真という男性は、同じ大学に通う一つ先輩で、高校生の時に柔道でインターハイに出場するほどの腕前をもつ有段者だった。
もしも斗真がこの場に現れてくれたら、一人でコイツら全員を圧倒するに違いない。

だからといって、ここで斗真の名前を出す訳にはいかない。

そうなれば斗真まで巻き込んでしまう。

もしもDVDが完成となり、それが商品として売られてしまった場合、そこに斗真の顔と名前があるのは非常に危険だ。

間違いなく家族は被害届を出す。
それが罷り間違って報道されたとしたら、そこから通っている大学名が判明してしまう可能性がある。
どんな危ないヤツ≠ェDVDを購入しているのか、考えるだけで恐ろしい。
大学名が分かれば、そこから斗真を探し出す輩が現れないとも限らない。
彼女が犯罪者の慰み者にされた事での中傷や、もっと酷い嫌がらせに苛まされてしまうかもしれない……。

目を泳がせた明日香は、震えが止まらない泣き顔を思わずスマホから背けた。
意に介さないと無言で訴えたつもりだったが、その態度は明らかに不自然……明日香の生来の〈素直さ〉は、最悪の状況で顔を覗かせてしまったのを、明日香自身は気づかない……。



『クククッ……知らない?ここに「斗真先輩にプレゼントしてもらった香水、私の好きな香りがします」って……クククッ?』

「!!!」


この男の口から斗真の名前が出た瞬間、明日香の身体はビクンと跳ねてしまった。
そしてモロバレな狼狽えを追撃するように、スマホには斗真とのLINE上でのやり取りまでが映し出された。

斗真との関係を、こんな奴に知られてしまっていた……二人だけの秘密だったやり取りを全て見られ、そして記録しておいた写真や動画も、その何もかもを観られてしまっていたのだ……。


『ふむふむ……明日香先生と同じ大学に通う斗真くんかあ。電話番号は090△○□……』

「やッやめてえぇッ!!!そ、その人は私と関係ないぃッ!関係ないんだからあ!」

『あれぇ?関係ない男のほっぺにキスすんの?明日香先生ってだらしない≠だねえ〜』

『コッチの写真なんか後ろ抱っこのツーショットだあ。斗真くんにオッパイ揉まれる直前じゃねえのコレ?』


恋人同士の秘密の写真は、カメラの前に曝された。
同じ大学に通う彼氏の名前と素顔、そして電話番号までも、現在進行形で作成されるDVDに収められる。
この非情な行為に打ちのめされた明日香は呆然となって固まり、やがて肩を震わせながら泣き崩れた……。


『アレだな?大学の前で張ってりゃ斗真くんが現れるってワケだ。あとは尾行すれば自宅は
割れるし、そのままポストに出来たてホヤホヤのDVDを投函……悪くねえだろ?』

「ッッッッ!!??」


一体どこまで苦しめれば気が済むのだろう……。

行方不明になった恋人からの久しぶりの音信が、その恋人のレイプ動画が収められたDVDだとしたなら……それは今の明日香が考え得る、一番残酷な《悪ふざけ》であった……。


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