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女子中学生 辱めの部室
【学園物 官能小説】

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彼女の運命を狂わせたのはなにか-2

 ことは、2週間ほど前に遡る。

 その日は、新東中学と南豊中学の野球部の、地区予選の試合が行われていた。
「ストライク!」
 新東のエース・西永浩介の剛球がミットに収まると、そのたびに三塁側から女の子たちの歓声が上がる。
「いいぞー、西永くーん!」

 剛速球を投げるエースにして四番。そしてルックスもイケメン。学業成績も学年ベスト10はまず外れない文武両道。スポーツマンらしい一途なキャラクター。これで女生徒たちから人気が出ないはずがない。

 今日の試合を観戦に来た女子たちの目的も、たいていは自校の野球部というより、ただ浩介を応援することだった。ろくに野球のルールも知らないような子も混じっている。

 だが、浩介はそんな女の子たちに目もくれたことはなかった。それは野球一筋の硬派だからと、ファンの女子たちにも思われていた。

 所詮は高嶺の花。西永くんの彼女になるなんて誰だって夢のまた夢。彼は誰のものにもならない、そういうある種の安心感も伴っていたのも事実だろう。もし抜け駆けして告白するような子がいたらKY扱いされそうな雰囲気があった。そうしたところでどうせ玉砕するに決まっているというのが、共通認識といってもよかった。
 だが、本当の理由はそれだけではなかった。浩介には前から、思いを寄せる人がいたのだ。

 それがA組の相生みさき。C組の浩介と今はクラスは別々だが、2年生のときは一緒だった。というか、3学期になって、彼のいた2年B組に転入してきた女生徒だった。

 内気で物静かで、真面目そのものの女の子。透き通るような色の白さと澄んだ瞳の、楚々とした美人だ。成績も学年トップクラスの優等生。けれども華やかで賑やかな女子がいっぱいで、もてはやされるのはそういう子ばかりだったこの学校ではまるで目立たないタイプだった。
 その種の子たちが男子とも積極的に交友しているのと違って、彼女は事務的な用件以外で、異性と言葉を交わすことは皆無に近かった。だから相当な美少女とはいえ、男子たちからそんなふうに注目されることもほとんどなかった。転校してきて半年ほどということも手伝ってまだ友達も少なく、同級生の間でも、めったに話題にもならないような子だった。

 けれども、ピュアで庇護欲をそそるような可愛らしさに、彼女が転校してきたその日から、浩介はたまらなく惹かれていた。

 同じクラスだった頃は、授業中、教室で事あるごとに彼女の方を見やっていた。
 だが、まだ何も言えていない。こうなると浩介も純朴な少年そのものなのだ。用件をつくって話したことはあるものの、実のある会話は一度も交わせていない。

 3年生に進級し、クラスが別々になっても、浩介の思いは変わらなかった。A組の教室を覗いては、あるいは窓際の席に座ったときにはA組が体育の時間では運動場に目をやっては、みさきのことを見つめていた。
 ずっと鞄には、彼女と一緒に写った写真がしのばされていた。2年の終わり、修学旅行のときのものだ。偶然同じ画面に入ったにすぎないのだが、それでも浩介には宝物だった。彼女だけの写真を撮りたかったが、それはかなわなかった。

 日に日に思いはつのる一方だった。このことは野球部のチームメートにも他の友人にも、誰にも話したことはない。ひとり胸のうちに秘めたまま、今まできた。もちろん彼女は、何も知らないはずだ。

 試合を見に来てほしい…そう誘おうと何度も思ったが、一度もできていない。彼のファンの女子たちと違って、自発的に見に来てくれたこともない。スポーツには全然興味もなさそうなタイプだ。もちろん、今日の試合にも彼女の姿はない。

 けれども、大一番とも言うべき今日の試合に向けて、浩介はある決意をしていた。
 この試合に勝ったら、意を決してみさきに告白する、ということだ。


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