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[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

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悲鳴-4



『俺らの作った特注品の椅子だぜ?まあゆっくり座って眺めててくれよな……クククッ』

「イヤああッ!!イヤよこんなッッ…こんなあッ!!」


Tシャツにデニムのホットパンツというラフな衣服のままで、明日香は両脚を無様に天井に向かって蹴り上げ続けていた。
両手首は枷と鎖によって背もたれに繋がれ、そして踏ん張りの利かぬ脚のせいで尻はズリズリと前方へと迫り出す。
ホットパンツの丈は、あまりにも短すぎる……明日香の下尻の丸みは覗かなくても男共の視線に入り、当然だがこの美脚を観たいと思うであろうお客様の為に、スタンドを付けたカメラが次から次に置かれていった。


『ククククッ……ちゃんと角度を計算してカメラを置けよお?』

『綺麗な顔してんなあ……表情もバッチリ撮らないと、お客様に叱られるぜぇ』

「そ、そんなッ!?カメラなんてイヤだあッ!!」

『こんな美味そうな太腿見せびらかしてよく言うぜえ。大勢の男に見られたい≠ゥらこんな格好してんだろ?』


明日香の全身の部位という部位に、定点カメラのレンズが向けられた。
もはや涼花を守るなどという余裕≠キら保てなくなってしまった明日香はメチャクチャに暴れだし、湾曲している鉄パイプを刮ぐように滑る金具はギャリギャリと叫んだ。


(あ、あと少しなのに…ッ!)


自慢の長い脚を伸ばしきって、あと三センチあれば枷の金具は鉄パイプから引き抜ける。
背筋と腹筋に力を入れて尻を持ち上げ、攣りそうなくらいに脚を伸ばす……だが、金具を引き抜くには僅かに足りない……。


『もう発情して腰振ってんのか?カメラで撮られると燃えるタイプみてえだなあ……クッククク』

「ッッッ……く、クズ…ッ…このクズ!サイッテーのクズよアナタはあッ!!!」


冷酷な嘲笑を浴びせてきた男に、明日香は敵わぬと知りながら反撃に転じた。
いや、反撃とは言っても子供じみた〈口劇〉だけであり、それがもたらす効果といえば、犯罪者達の欲望を心地好く擽るだけである……。



(もうやめて…ッ……やめて…ッ)


扉越しに聞こえてくる悲鳴に二人は身を縮め、そして耐え難い胸の痛みに苦悶の表情を浮かべる。

間もなく一人の少女の人生は終わる。
程なくもう一人の女性の人生も潰える。

二人の行きつく先の未来は、残酷過ぎる悲劇が待ち構えている。
分かっていても、美桜と麻友には何も出来ない。
言ってみれば、墜落していく飛行機をただ見ているだけしか出来ない地上の傍観者と同じである。


{こ、この人触ってくるうぅッ!やあッ!?ヤダよ怖いぃ!}

{離せよゴミクズぅッ!その汚い手で涼花………も"お"…ッ}


明日香という女性の声が消えた。
今の自分達と同じ口枷を嵌められたと、美桜も麻友も察した。


{明日香先生ってホント優しいねえ。ほら、ボクと涼花ちゃんの二人を見守ってくれてるんだから。ヒヘへ……カメラマンも集まってきたし、誰にも見せたコトが無い涼花ちゃんをいっぱい撮って貰おうねえ?}

{ヤダあッ!や、ヤダああッ!イヤあぁあぁあッッッ!}


未体験の恐怖に引き攣る悲鳴に、男の笑い声が交じる。
金属同士が強く擦れて発生する異音はけたたましく鳴り続け、少女の悲鳴もそれに続く。


(誰でもいい……早くここを見つけて…ッ)

(助けて…ッ……助けてッ)


あの耳をつん裂く悲鳴の、いったい何処に快楽を感じる要素があるというのだろう。
鬼畜の所業という言葉は、間違いなくアイツら≠フ為にある。
その鬼畜を圧倒出来る者は、哀しいかなこの空間には存在しない。
合気道の使い手の美桜ですら、今やただの肉人形。
アイツらを止められる者は、何処にも居ないのだ……。


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