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惨酷メカ:バーチャル・カプリコン、と芋掘りレジスタンス村娘(ケータイSF愚弄小説・18禁) ※第一部完結?※
【SF 官能小説】

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人質交換/カプリコン二号機とミケ・トラフグ-2

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「まだ、間に合うのではないでしょうか?」

 カプリコンのコックピットで、ミケ・トラフグ少尉は無線機で同行の味方機に呼びかける。日系の混血であるらしく、どことなく東洋的な顔立ちで髪も黒い。
 返事がないので、再度に指揮官に呼びかけてみる。

「大尉」

 もし、今に引き返せば、さっき人質交換で引き渡した女たちも、もののついでに奪還できるかもしれない。

「護衛が優先だ。味方エリアの安全圏まで距離があるし、敵にはガラパゴスもいる。どうせ敵もお前と同じようなことを考えているだろうし、欲張って助けた連中がまた捕まったらどうする? それに、いや」

 言葉を逃がした先は、想像がつく。
 どこか憎しみの滲んだ大尉の声。「助ける価値はないし害にしかならない」という本音の感情は、皆に共通してもいた。自分から故意の背信行為でリスクと危険を増大させていたスパイ工作ネットワーク構成員なんて、たとえ女であっても死刑に相当する。むしろ選択肢を与えてやっただけでも幾ばくかの慈悲であった。近親者の悪行に連座した場合であっても、信頼性として過度の情けは禁物だっただろう(明らかに本人個人に悪意がないと判断された場合には、除外されている)。
 だが、彼らの感傷的な雑音もそこまでだった。
 レーダー反応とAIの警告で、横合いからの敵襲を悟る。さっき人質交換で手放した女や少年兵士たちを奪い返しにきたのだ。

「言わんこっちゃない!」

 イヌノフグリ(武装追加した方の二足歩行戦車)が回避行動をとりながら、両腕のレーザーガンで応射している。狙うというよりも、装弾数を活かした一連の乱射で弾幕を張って、大雑把に接近を牽制する感じだった。
 モスグリーンのカプリコンもグラディウス剣を抜き放ちながら、左肩の小型キャノンで発砲する。どうやら襲撃者の一体に直撃したらしく、爆発が起こる。規模と様子からして中型ウォーカーのようだった。

「まだいるぞ!」

「自分とカプリコンで抑える! 大尉と輸送用は早く離脱した方がいい!」

 イヌノフグリから的確な言葉が届く。
 輸送機を単体で行かせるのはハイリスクだった。
 しかし、通常なら単独で引き受けるところを、僚機にカプリコンを要求するのは、戦況が思わしくない予感がするからだろう。
 大本命が姿を現したからだ。
 ガラパゴス・グレートだった。
 かつて軍事技術が全盛期の時代に作られた怪物で、背丈は大型ウォーカーのカプリコンを僅かに上回る程度だが(二十メートル程度)、手足や胴体の太さがまるで違う。さながら大木か、立ち上がった巨大ワニや恐竜のような威容の迫力で、重量とパワーは細身のカプリコンどころか、戦後の新型であるガバナー歩兵やプロメテウス戦車をも上回る。
 純粋な機動力では若干の歩があったものの、それでも先に待ち伏せしているだろうから、単なる足の速さだけで逃げ切れるとは考えにくい。しかも輸送コンテナの中身が人間だから、コックピットのパイロットだけの場合のように全速力や派手なアクションはやりづらい。やはり、多少の打撃で機動力を削ぐなり、幾ばくかの時間稼ぎが必要だろう。


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