昼寝と必然-7
7
「初めてのくせに、こんな、こんなに、ううぅ……アッ！」
情けない声を出したところを、また挿入中の恥肉の上でクリトリスを狙い捏ねられてしまう。サエの悦ぶ女体の反応を観察して、やり方を学習したようにしか思えないが、彼女自身の異様なまでの興奮状態で性感度が上がりまくっているのが致命的だった。
結合部から漏れ出した女の愛悦液がポタポタとシーツにまで垂れてしまう。
（うわ、溢れ出してくるみたいだ）
玲は「女が濡れる」原理を肌身で実感しつつも、陰茎の先端が痺れるようだった。
「サエさん、いいでしょ？ さっきチンチンの先に熱い汁がかかったよ」
「やんっ、そんなこと！ はァううっ！」
初めてでこんなふうに腹が据わっているのは、母のアヤの性格が遺伝したのだろうか。
ますます励んでくる苛烈なピストン運動はサエを絶頂に追い詰めていく。
「ふぁ、イッちゃう！ んんっ、イッちゃう、バカになっちゃうっ！」
まるで交尾する牝犬のように舌を出してアクメの予感を叫ぶ。どうしようもない「アヘ顔」になってしまっているのを自覚はしながらも、それでも頭の中の飛翔感と至福の恍惚ばかりは如何ともしがたい。
チラッと背後を見て、そこに玲がいることに安堵する。
「玲君？」
「もう、そろそろ」
どうやら限界らしかったが、サエとて望むところだった。
「いいわっ！ 膣中に出しなさいッ！ アンタの子だったら産んであげるわっ！」
サエの全面的なお許しを得て、玲の腰使いにラストスパートの激しさが増す。ビクビクと生々しい固さまでがいっそうに膨れ上がったようだった。
これまでにも小さな絶頂はあったけれど、本格的な中イキがきてしまいそうだ。
「ううーッ！ イッちゃうの、あっ、私、玲君にＳＥＸでイかされるのっ！」
もう恥なんか関係なく、自分が達するところを見て欲しかった。
送り込まれる喜悦に恍惚となって忘我の境に彷徨いながらも、かえって背後から抱きしめて挿入されている事実だけは浮かび上がってくる。それが全てだった。
「う、出る」
とうとう玲が終末の呻きを漏らす。
にわかに動きが止まって腰を深く圧しつけられ、ドクドクという射精音まで聞こえてきそうだった。臨界した甘く痺れるペニスからの熱い噴出はエクスタシーに悶え痙攣する膣肉を満たし、熟れて拍動する子宮にまで流れ込んでくるようだ。
（ああ、玲君が射精してる。私の中で、膣中で出してる！）
そんな実感だけでサエは目も眩む思いだった。
懐かしく新しいエクスタシーの法悦は、宗教的ですらあったかもしれない。最初は彼の父親で、二人目に全てを許した最愛の男の子が彼なのだ。女体の悦楽極点だけでなく、心まで抱き犯されて投げ打つような、女として最高の昇天体験。
「うっ、ふうっ！」
サエは深く達しながら詠嘆の吐息を漏らす。力が抜けてグッタリとしてしまった。
その背中にもたれかかってくる、同じように力尽きた玲の重みが追加の至福をもたらしてくる。気恥ずかしげに「出ちゃった」と小声で申告してくる。
（サエさんの背中、すべすべしてる）
玲は生まれて初めての性交体験の女を改めて心の中で賞賛する。
やがて鎮まった挿入がズルリと抜け落ちて、サエは寂しさを覚えたところへキスされて、それだけで汗ばんだ背筋を甘い電気が駆け抜けるかのようだった。
その晩、添い寝のサエに逆襲されて、問答無用でさらに三回も四回も搾り取られた。
目覚めのお早うはフェラチオから始まり、オナニーを鑑賞しながら朝立ちを処理された。