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おとぎばなしの呪縛
【OL/お姉さん 官能小説】

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まぶたを閉じていただけ-2

 いまc学2年の僕が、h世さんを知ったのは僕がs学6年の時だった。

 h世さんはk校2年だった。兄と学校は違うけど同じ学年だ。
 そしてh世さんと兄は付き合っていた。

 平日の午後、僕がマンションの一室であるウチでゲームしていると玄関のピンポーンを鳴らして
 「こんにちは、sカズいる?」とインターホンで話しかけてくる。
 「まだ、(学校から)帰ってきてません。」と僕が言うと「じゃあs次クン、ちょっと出てきて。」と僕を玄関に呼び出す。

 玄関に出ると、学校帰りらしく制服姿のh世さんはニコニコ笑って「悪いネ。」と僕に言う。
 僕はキレイなh世さんに話しかけられただけで、もう嬉しくてたまらなかった。

 「ちょっと私、気分転換したいからsカズが帰ってこないか見張っててよ。」
 h世さんはそう言ってタバコの箱を僕に示す。僕が「はい」と返事すると、近くの階段をのぼっていく。

 僕は、ウチの前の廊下からマンションのエントランスに通じる道を見つめる。
 時々、h世さんがのぼっていった階段の方を見る。h世さんは踊場のこっちから見えない側にいるようだ。
 時々空気の流れで、かすかに煙の匂いがしてくる。
 (h世さん、どんな顔してタバコ吸ってるんだろう……)なんて妄想してる余裕はない。
 僕はh世さんに頼まれた見張りだ。兄の姿を見逃すわけにいかない。

 「兄が帰って来ました!」僕が踊場に向かって呼びかけると「ありがと」h世さんの声がする。「先におウチに入ってて。」……そのあと、h世さんは兄の出迎えでウチに入ってくる。

 兄はたびたび僕に言ってた。
 「女がタバコ吸うなんて汚ならしいよな。」
 僕はそれを聞いて思ってた。
 (じゃあこの人は、h世さんがタバコ吸うこと知らないんだな……)

 僕はh世さんの秘密を握ってることが嬉しかった。

 だけど二人がk校3年になると、h世さんはウチに来なくなった。
 あわただしい学年だから、一時的な「関係のお休み」なんだと思ってた。
 でも、兄がk校を出てお仕事についてもh世さんがウチを訪ねてくることはないし、話題にも出ない。

 何よりも、僕は「h世さんはどうしたの?」なんて聞ける立場じゃなかった。

  ………

 僕がc2になってしばらくたったころ、近所でばったりh世さんに出会った。
 かわらないキレイなh世さんの笑顔を見て、僕はあいさつとか近況なんか考えず、抑えきれずに言ってしまった。

 「h世さん!もう会うことないと思うから、一度だけ僕にタバコ吸ってるところ見せてください!」

 
 
 
 
 

 

 
 

 


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