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ワンメイク!
【スポーツ 官能小説】

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決勝P女子200m自由形-1

女子最後の決勝種目は200m自由形。短距離得意の選手、中距離や長距離を得意とする選手も集まることもあり、面白いレースが毎回期待されている。
予選トップは柴本綾。大会3日間で5種目め、全部決勝まで進んでいるので10本目のレースになる。しかもこの日は1500m自由形決勝も泳いでいる。ただ、スタミナには自信がある綾。最後の種目に全力を尽くすことだけを考えている。
予選2位は短距離得意の中学2年生の浅岡美優。全国中学大会で優勝している種目なので決して悪いイメージはない。2日目の100m自由形の後、美熟女スイマー小林日菜子から
「思い切ってやればいいよ。全中やジュニアオリンピックだったら1年生がいることがあるけど、ここじゃ浅岡さんが一番年下だから」
と激励も受けた。
予選3位と4位は清野恵美、中崎ちづるの同学年童顔巨乳コンビ。2人とも4種目、決勝に全部出ているので8レース目になる。2人は最後の気合いを入れるため、招集場所で1つにまとめていた髪をツインテールにまとめ直した。レース中はスイムキャップに隠れるし、レース後には髪をまとめているゴムを外す人もいる。人目にふれることはほとんどないが2人はここぞというときにツインテールにするという。

3レーンに恵美、4レーンに綾、5レーンに美優、6レーンにちづる。他の4人も少なくと2種目めの参戦になる。
スタートして15mの浮き上がりで先頭に立ったのは美優。100m得意の美優にとっては先行逃げ切りを狙ってきた。そこに食いついてきたのはちづる。恵美もついてきている。400m以上の距離が得意な綾は前の3人の様子を見ながら追い込みをかけようと考えているようだ。
最初の50mは美優が先頭でターンし、その後ほぼ同時にちづると恵美が続き、綾は5番手でターンした。美優のペースはまだ落ちない。恵美とちづるはぴったりと並んでいて、2人で美優を追うような形になっている。綾は恵美とちづるの間に割って入ろうとペースを上げていく。
100mのターンも美優が先頭のままだが、恵美とちづるの一団に綾が追いついている。水着に慣れてきたか、重みも感じないようで、美優のペースは落ちていない。しかし、綾が恵美とちづるを抜いてきた。綾は予定よりも早く、125m過ぎでギアチェンジをして追い込みをかけてきた。本来なら150mのターンから浮き上がった後に追い上げるつもりでいたが、思った以上に美優のペースが落ちなかったので早めた。そのギアチェンジについていけなかったのはツインテールの大学生2人。中学生より先に無理が来てしまったようだ。
150mのターンも美優が先頭。2番手には綾が続いた。最後のターン後の浮き上がりで美優のペースがやや落ちてきた。それと入れ替わりに綾のペースが更に上がってついに先頭に立った。並びかけずにすぐに抜き去っていく。長距離を得意としている選手らしくない素早い攻めで一気にリードを広げる。美優はまだ粘ろうとするが差が縮まらない。恵美とちづるは他の4人と共に突き放された。
綾は勢い止まらず一気にフィニッシュ。自己ベストに肉薄する好タイムで2種目目の優勝となった。美優は2位を確保。125mで突き放されたちづるが3位、恵美が4位になった。

レース直後の会見が行われるミックスゾーンになぜか1500m自由形で優勝した谷本真美が綾の高校の後輩で50mバタフライを泳ぎ終えた若槻春佳を連れてきた。泳ぎ終わってミックスゾーンに姿を見せた綾は、検量スペースにいるはずの2人がなぜいるのか戸惑った。しかし、すぐに3人で軽くハグを交わした。
「3日間に10本もレースをやるのは珍しくないですけど、それ以上にいろいろなことがあって充実した気がします。水着に馴染むかどうかでこんなに苦労したことはないし、いろいろな展開を経験できたし、それに真美さんがいろいろ盛り上げてくれたし、この大会は楽しかったですね」
笑顔絶やさずに大会を振り返った綾はもう一度、真美と春佳とハグを交わした。
「小林さんにきのう『思い切りやって』って声かけられたのできょうは頑張れました。150までペースが落ちなかったのはよかったです」
美優はうまく言葉にできないながらも手応えがあったことを伝えたかったし、日菜子への感謝を伝えたかったようだ。
恵美とちづるは会見をしなかったが、レース後すぐにスイミングキャップを脱いで水面上で髪を両手で分けた後にプールから上がり、ツインテールを観衆に見せつけた。中にはスマートフォンを2人に向ける人もいた。


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