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ワンメイク!
【スポーツ 官能小説】

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予選-1

1日目を終えて感覚をつかめた選手は配布された水着に慣れた手つきで着替える。この日から出番の選手は大会前日のトライアルで一度身につけてはいるものの、着替えても手をこまねいている素振りもある。
1日目に続いて出場するチームメイトと相談する選手もいる。バストが大きな選手は押しつぶした方がいいのか持ち上げた方がいいのかと考え、ヒップが食い込むのが嫌な選手はしきりに引っ張ってみる。2日目にしても見慣れない水着にはまだ苦労しているところもあるようだ。
水着に着替えた選手達は1日目同様に何も羽織らないで招集所に集められた。

2日目最初の女子種目は400m自由形の予選。1日目の800m自由形で優勝した谷本真美、2位の柴本綾、400m個人メドレー3位の中崎ちづるらが参戦する。綾は早くも3種目目の登場になる。
この大会で使っている水着が一番フィットしているのは自分だと言い切る真美が予選トップで通過したが、2位には綾が続いた。真美は800mでは予選・決勝と自己ベストを更新したが、こちらでも予選から自己ベストを更新した。
綾は1日目の2種目でヒップの食い込みが気になって失速することから、ヒップの部分を思い切り引っ張ってみたら食い込みにくくなったと感じたようで、目標以上のタイムを出すことができた。

50m平泳ぎには100mで2位になった山本華莉奈が登場。華莉奈としては、高橋ともえが台頭してからも日本選手権で勝ち続けている一番自信のある種目。水着の悩みも解消できて自己ベストに肉薄するタイムで1位通過を果たした。憑きものが離れようなすっきりとした表情でプールから引き上げた。
この種目に参加する16人の顔ぶれを見ると28歳の華莉奈が最年長で半分以上が高校生か中学生。スプリント種目だけにベテランは苦戦を強いられるとみられていたが、ハイレグに慣れていない中高生の方が苦戦して自己ベストよりもかなり悪いタイムが続出した。股関節が完全に覆われているハーフスーツと違って、ハイレグは締め付けがなく脚回りが軽すぎてキックが空回りするため体をしっかり運べないからタイムが悪くなったようだ。

続く種目は200m背泳ぎ。前日の50mとはメンバーがガラリと変わっている。50mで日本新記録を出した深町ますみをはじめ決勝の上位3人は参戦していない。
そんな中で予選トップになったのは前日の400m個人メドレーで優勝した竹内里帆だった。里帆は個人メドレーをメインにする前は背泳ぎをメインにしていて特に200mを得意にしていた。個人メドレーに転向した後も国体やインカレの団体戦のポイント稼ぎのために出て表彰台に乗ったこともある。このあとに200m個人メドレーの予選が控えているにも関わらず自己ベストを更新する泳ぎをみせた。里帆は泳ぎ終わるとクールダウンをそこそこに済ませ、招集所にまた戻った。
予選2位にはこれまた400m個人メドレーに参戦していた清野恵美が入った。恵美もいそいそと招集所に戻った。

意外な選手が好記録を出してどよめいた後に登場したのは柴田真理子。100mバタフライで2種目制覇を狙う。前の日の200m決勝と同じようにバストを押しつぶすようにして水着を身につけている。それでもGカップは生地を突き上げようと主張しているようで、男性ファンの目を釘付けにしている。
真理子との対戦で燃えるのは松村奈央。1日目の50m自由形で3位だったが、本命は50mと100mのバタフライ。しかも100mでは予選から真理子と同じ組でということで燃えている。Gカップとビッグピーチと呼ばれる美巨尻で男性ファンが多い真理子に対して、奈央はスプリンター特有のムチムチ体型ではなくバランスのとれたスタイル。20代前半の女性に向けたファッション誌のモデルとしても活躍していて女性ファンが多い。
予選は真理子がトップ、奈央が2番手のタイムで予選を突破。ともに目標としていたタイムを上回ってきた。200mで2位だった高校生の若槻春佳は3位で予選を通過した。

真理子の泳ぎを待機所で見つめていたのは2日目の50m自由形で優勝した川口ルリカ。クラブの先輩に続こうと気持ちを高めて100m自由形の予選に向かう。ルリカも真理子と同じようにFカップのバストを押しつぶし、ヒップの部分を引っ張った。腕の振りも足の運びもしっかりしていて予選から自己ベストを出したが、これでも予選トップにはならなかった。
予選でトップになったのは「泳ぐ美魔女」こと40歳の山本日菜子だった。28歳で子供を産んでからはレースで着ていなかったというハイレグワンピースを着たら高校時代のパワーを取り戻せたようで、自己ベストに肉薄した好タイムとなった。

2日目の女子種目で一番注目を集めているのは200m個人メドレー。400m個人メドレー優勝の竹内里帆、100m平泳ぎ優勝の高橋ともえに加え、唯一ピンク色のSサイズの水着を着る中学生の古内ひかりらが参戦する。
いわゆる「つるペタ」の少女体型でSサイズの水着を着ているひかり。普段からハイレグワンピースを着ているが、普段はジュニア用なのでちょっと緩い感じもする。しかし、バストやヒップが突き出ているような大人のオンナの体型ではないからか、重く感じることはない。予選は想定通りのタイムで泳ぎ切り5位でクリアした。
トップで通過したのは里帆。この日はすでに200m背泳ぎの予選を泳いでいたのに疲れた素振りを見せず、7月の世界選手権で自ら出した日本記録にあと0秒33に迫るタイムを出した。
そしてともえが2位と続いている。

2日目の予選がすべて終わって会場は休憩に入る。
選手達はサブプールでクールダウンするが、ここでひかりは誰に相談することもなく周りを見回す。他の選手がどういう風に水着を着ているのか、泳いでいるときにどの辺を気にしているのかを見ているようだ。ただ、時間が限られているからか答えは見つからない。
ひとまず、決勝は普通通りにやろうと考えた。


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