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「甘いかおり」
【その他 官能小説】

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「甘いかおり」-1

「ジビエとワインのマリアージュ」と名づけられた会食に参加したのは
ダーリンがわたしを強引に誘ったから。
女性はわたし1人でダーリンとその友達だという男性が5人、
総勢7人での会食だった。
「フランスでは、猟が解禁になるこの季節に
ジビエという野禽料理があるという。
それを空輸して日本でも楽しめるなんて
素敵だろ?贅沢だろ?」
わたしにはワインの価値も料理の価値もわからない。
ただ、華やかな会食に連れて行っていただけるのは嬉しい。
ソムリエがわたしなんかに真っ先にワインを注ぐのは
ダーリンのパートナーだからなのでしょう。
料理の説明を受けても詳しいことはわからない。
だけど食欲の秋だもの。
鴨も鳩もフォアグラもおいしくいただいた。
数万円もするらしいボトルワインを7人で5本もあけた。

ダーリンは香りにかけては人並みはずれた感覚を持っている。
ワインの香りで産地やぶどうの品種、ビンテージを当てるのだから
わたしには神業かトリックとしか思えない。
「わたしのダーリンってすごいなあ」と思いながら
繰り広げられるワイン談義を聞いていた。
揺れるキャンドルの灯りを見つめ
すっかり酔ってしまったと感じたの。

シャワーを浴びることは許されなかった。
背中のファスナーを下ろしながら
ダーリンがわたしの首筋に鼻を押し当てている。
「ああ。いい香りだ。若い日本人女性から立ち上る香り。
女性だけは日本人に限るとボクは思っているんだよ」
身につけていた全ての布地をとりはずすとベッドに優しく横たえた。
胸から腹へそして脇、さらにつま先からゆっくりと脚をさかのぼる頭部。
「ああ。この香りだ」
と脚の付け根に顔を埋める。
大きく息を吸い、ふうっと息をかける。
息を感じてわたしはきゅんと収縮する。
「さあ、みなさんも楽しんでください」
先ほどの男性たちがベッドを取り囲む。
「まず、うなじの甘い香り。特有の甘さがありますね」
「どれどれ。ああ、いいものですな」
5人の男性がかわるがわるにうなじに鼻を近づける。
「どうぞ、ご自由に」のダーリンの言葉で
紳士たちは思い思いの部位で香りを吸い込む。
わたしは恥ずかしさで汗ばんでくる。

「赤ワインと同じですな。温度が上がると香りも沸き立つ」
ワイングラスを揺らすように
乳房が揺すられ、立てた膝を揺すられる。
挿し込む指、這う舌。
わたしの身体はだんだん強く激しく扱われる。
ダーリンはソファに座ってじっと見ている。
「ダーリン。助けて」と目で合図を送っても
「楽しませてあげなさい」と目で返してくる。
目を閉じて大きく脚を開いた。


「いやあ。堪能しました。ご馳走になりました。
うらやましいですな。」
友達は帰って行った。
わたしはすねてしまっている。
ダーリンはなだめるようにわたしを愛してくれる・・・。


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