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月滅剣
【ファンタジー その他小説】

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月滅剣其の二-1

『呪われた血?』
『選ばれたものに流れている血だ』
『それが月の子に選ばれたってことなのか…』
『そうだ。お前は呪われた血によって月の子達の意志を継ぎ月を守り。月に歯向かうものを滅ぼすのだ』
緑色の目は無表情に語っていた
『俺にそんな意思はない、俺は地球人だ』
『嫌いなんだろ…』女は笑いながら言った
『なんだと!!』
『復讐したいんだろ?お前を認めなかった人間達を』
お前のことは何でも知ってると言う素振で女は言う
『いいから私の話を聞け。お前は私の言うことに従えばいい。難しい事ではない人間を殺すかどうかはお前が決めればいい』
『これから私はお前に月滅剣という剣術を教える。それをどう使うかはお前が決めればいい』
『月滅剣…』
『呪われた血を持つものにしか扱えない剣だ。呪われた血をムーンエナジーに変えてそれで月滅剣に力を与えるのだ。』
『ムーンエナジー?』
『月滅剣を使う上において呪われた血は必須だ。ムーンエナジーがきれれば月滅剣が使えないようになる。同時に死ぬことになる』
『とにかく話は後だ。明日から月滅剣の伝授を行う』
『とりあえず今日は疲れただろう。晩飯を食って風呂に入って寝ろ』
『一つだけ聞いていいか?俺の名前は
       だ。お前は?
『私の名前はマリス』
『名字とかはないのかよ?』
『父上はそんなもの入らないといっていた。名前なんてただの記号だろう?もっとも私は父上を見たことがないのだが』
『じゃあ、家族は…』
『じじいと二人暮しだったがもう死んだ、月滅剣の使い手だったがあっさり死んだよ』
マリスは他人事のように言った。
『さぁ、くだらない話はやめて、これから月滅剣の伝授を行う。まずは…』そういうと
マリスは小刀を取ると手首を切った。』
『何をしている!?正気か?』
傷は深くあっという間に血が噴出す。
マリはその血を竹で作ったのであろうコップで受け止めた。
コップが満タンになって血が溢れ出す。
男ははっとなって気づき『応急手当を。何か布はあるか?』
『たいした傷じゃない。勝手に傷はふさがる。
ムーンエナジーが自然に傷を治してくれる。その気になれば下級魔法を使えばいいのだからな』
『それより…』
『飲め』
マリスは血の入ったコップを差し出す。黒がかった血に俺はめまいをも覚える
『どうした。早く飲め』
『飲めるか、んなもん』
そういえばここに来てろくな物を口にしてない。熊と雑穀というかあれはまともな米じゃない味だったし味噌汁らしきものも全然味がないし。まぁ唯一ここでうまかった物といえばこの山の頂上にある滝の水ぐらいだった。
『いいか、よく聞け。月滅剣というのは呪われた血が必要だ。その血を引くものはお前らの世界では一兆分に一人の割合しか現れん。しかもだ。その人間の呪われた血は極めて薄い。月滅に選ばれてないからだよって月滅に選ばれた人間の血を飲むことにより呪われた血は初めて効果を成す』
『だから俺はまだその月なんとかという剣を継承するとはいってないし。そんなものは飲まん』
『なら気が変わるまでここにいるがいい。だがここは獣達がいて危険だから結界が貼ってある
せいぜい無駄な苦労をするがいい』
そう言うとマリスは血の入ったコップを置いて外に出た。
俺はマリスについていくことにした。マリスは大きな滝のある近くの石に正座していた
まるで自然と同化しているようだった。マリスはそのまま二時間近く座っていた


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