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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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嵐の前-2

美鈴は、改めてお礼を言うと大原の公判の準備を聞いてみた。山田は、今度の地検での襲撃事件に特捜部のみんながかなりのショックを受けていたが、逆にこんなテロに負けられないとばかりに精力的に業務をしていると言う。

山田が教えてくれた事には、メディアは今度の地検での検事襲撃事件を大々的に取り上げ凄まじバッシングが与党に向いていると言う。与党は堪らないとばかりに、前代未聞の山海の幹事長職剥奪と党籍の強制剥奪を決議した。首相自ら、山海を痛烈に批判し議員辞職を求めると表明せざるを得なかった様だと言う。

それから数日経ち、猛も流動食ながら食事出来る様になった。この頃になると美鈴は、両親と交互に自宅に戻れる様になり着替えや入浴を出来る様になる。猛もまだドレーンが抜けないが、かなり元気が出てきた。術後の病院食にかなり不満な様子だ。

美鈴が、病室でスマホの仕事のメッセージに目を通していると猛が笑顔で

『母さん、仕事に戻って大丈夫だよ。』
『もう平気だ、後は傷口が治るのを待つだけだ。』

と言う。美鈴は首を振り、

『でも、まだ完治とは程遠いわ。』
『心配よ。』

と言う。猛は説得する様に、

『お爺ちゃんやお婆ちゃんもいるし。』
『仕事に戻って。』
『僕は、母さんの仕事は直接見て無いけど家で仕事の資料とかを見てる母さんが好きだ。』
『母さんの仕事を邪魔したく無いんだ。』
『お願い、仕事に戻って。』

と言うと美鈴の父親がいつの間にか病室に入ったらしく、

『猛の言う通り、仕事に戻ったらどうだ。』 
『猛の事は、ワシらに任せろ。』

と言う。美鈴は悩んだが、

『分かったわ、明日から仕事に行くわ。』

と猛を見て話すと猛は安堵の表情を浮かべる。美鈴は、

【猛にとって、私が仕事に行く事はとても重要なんだわ。】
【それなら、安心させる為にも仕事をしよう。】

と思った。その後、明日から出勤する事を課長に伝えると、

『まだ、息子さんに付いていても良いんじゃないか。』

と少し驚いていた。美鈴は、

『息子も私に早く仕事に復帰して貰いたいと望んでいるので。』

と言うと課長は、

『うーん、早すぎる気もするが。』
『分かった。待ってるよ、特捜部のみんなも喜ぶだろう。』

と歓迎してくれた。美鈴が通話を終えた頃、談話室に父親も来て電話を始めた。終わると美鈴を見て、

『親戚からだ、みんな心配なんだよ。』

と笑う。美鈴が、

『父さんに話が有るの。』
『猛が前から私の仕事の事を大事に思ってくれているのは知っていたけど、小さい頃からなの?』

と尋ねてみる。父親は、

『ワシらのせいかも知れん。』
『小さい頃猛がお前が居なくて泣いている時、お前の母さんは大事な仕事をしているんだ、とても世の中の役に立つ仕事だと言い聞かせていた。』
『それを繰り返し教えていたんだ。』
『それが過ぎたのかもな、猛は良い子に育ったが我がままを言わない子になった。』

と困った表情になる。美鈴は、

【猛は確かに口癖の様に、母さんには大事な仕事が有ると言っていた…】
【私は、自分のやりたい仕事をしてきたが猛は自分を抑える子に育った。】
【猛には、無限の負債があるわ…】

と切なく思う。



 美鈴が地検に登庁すると、会う人会う人襲撃事件と猛の事を気遣ってくれた。マンションの制服警官、公用車の運転手、当番の警護役の警官、特捜部の同僚までの一連のやり取りは多くて少し疲れたが、嬉しく感謝しか無かった。

課長が警護課の責任者と美鈴が襲われた時に駆け付けた警官を連れて来た。美鈴は警官に駆け寄り、

『あの時は、ありがとうございました。』
『こちらから出向いてお礼を言うべき所をお呼びだてして申し訳ありません。』

と言うと警官は戸惑い、

『とんでもありません。当然の事をしたまでです。』

と恐縮する。警護の責任者が、

『事前に警戒していたにも関わらず、息子さんを負傷させてしまい申し訳ありませんでした。』

と頭を下げる。美鈴は首を振り、

『そんな頭を上げて下さい。』
『止血の応急措置が良かった為に大事には至らなかったとお医者様も言っておられました。』
『本当にありがとうございました。』
『私を含め、特捜部の全員の警護をして下さる皆さんには感謝しかありません。』

と礼を言う。美鈴が課長に対応してくれた警官に礼を言いたいと言うと別の検事の警護で地検まで来るから会う段取りを付けてくれたのだ。

美鈴が大原の公判に向けて報告を受けていると、山海の地元の政治記者達の事件調査を頼んだ刑事が面会を求めて来た。
刑事も美鈴が襲われた事、猛が負傷した事を気にかけてくれ、大事に至らなかった事を喜んでくれた。


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