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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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幹事長の提案-2

山田が、

『それは、収賄事件に絡む他の政治家や官僚に渡された賄賂以外の事ですね。』

と聞く。大原から山海への贈収賄事件に絡み、他の与党政治家や地方議員、官僚の贈収賄犯罪の可能性も出て来て、証言や証拠が集まりつつ有った。その件は、他の特捜部のチームが担当する事になるだろうと美鈴は思っていた。美鈴は、山田と緒方を交互に見て

『ええ、地方政治記者3名の謀殺容疑の件よ。』
『まだ、確証は掴めていないけど山海の秘書北島は、甥の山本が証拠を持っていると言明している。』
『嘘を言っているとは、思えない。』

と言うと2人も頷く。続けて美鈴は、

『それが事実なら贈収賄事件なんか問題にならない位の犯罪だわ。』

と真剣な表情で話す。緒方が、

『私もそう思います。』
『山海は我々が記者達の件に気付き、警察が再調査している事を知っているでしょうか?』

と尋ねる。美鈴は頷き、

『可能性は有ると思うの、今日警察に出向いてその辺りを聞こうと思っていたのよ。』

と返す。その時、室内の固定電話の着信音が鳴り響く。緒方がすぐに電話の所に行く。受け応えをして終わると、

『山海達を迎えに行った車両部からです。』
『後15分位で検察に着くそうです。』

と報告する。美鈴は、

『分かったわ。』

と言い、コーヒーを啜る。再び電話が鳴る。緒方が、

『また、車両部かな?』

と言いながら電話に向かう。緒方が少し話して、

『チーフ、ウチの特捜部からです。』
『警察からチーフに例の案件の説明をしたいので伺っても良いですかとの問い合わせが来ているそうです。』

と美鈴に聞く。美鈴は、

『こちらに警察の外線を回して。』
『私が出ます。』

と答えると緒方は、少し通話して自分の方に向かう美鈴に、

『外線二番です。』

と伝える。美鈴は笑顔で、

『ありがとう。』

と言うと固定電話の受話器を取り、

『お待たせしました、桐生です。』
『ええ、そうですか。』
『電話では、もしもの事が有ります。』
『私が、そちらの方に伺っても良いでしょうか?』
『いいえ、大丈夫ですよ。』
『元々、今日伺うつもりでした。』
『今から会議がございまして、終わったら連絡して伺います。』
『ええ、よろしくお願いします。』

と話し終わると室内の2人を見て、

『警察から頼んでいた山海の案件で何か話が有るみたい。』
『山海達との会議が終わったら、警察に行って聞いて来るわ。』

と話した。山田が、

『調査が進展してると良いですね。』

と自分に良い聞かせる様に呟く。美鈴も頷き、

【急に物事が進み出した気がする。】
【山海の襲撃事件がきっかけだ。】
【何者かが襲撃事件の裏に居る気がする。】
【でも、その黒幕の思い通りに進むかしら?】
【その黒幕の意向とは逆に物事は進んでいるんじゃないかしら。】

と思案する。2人が自分を注目してるのに気付くと美鈴は、照れ笑いをして、

『さあ、迎え撃ちましょう。』

と告げると2人も笑顔を見せた。



 山海と2人の弁護士は8号会議室に入ると、挨拶もそこそこにお茶も断りすぐに本題に入った。山海が苛立たしげに弁護士達に指図していて、この慌ただしい山海側の動きは山海の意向の様だった。美鈴は、

【かなり、追い込まれているわね。】

と思った。年配の弁護士が、

『早速ですが、被告の収賄裁判の起訴の取り下げと将来訴追される容疑についての免訴を条件に被告は、収賄罪の原因となった被告の地元駅の再開発に絡む、全ての関係者の氏名、受け取ったであろう金品の額を明らかにします。』

と司法取引の内容を明らかにする。美鈴達は、顔を見合わせる。美鈴が、

『それは、関係者の裁判で証言されると言う事でしょうか?』

と聞くと弁護士は、山海を見る。山海は頷き同意する。

『ええ、必要とあれば。』

と弁護士は答える。美鈴は、

『その関係者の氏名と金品の額に裏付けになる物は?』

と証拠の有無を尋ねる。弁護士が、もう1人の若い弁護士を見るとその若手の弁護士がアタッシュケースを持ち上げ机に置く。年配の弁護士がアタッシュケースを開くと、書類、usbメモリ、sdカードなどが入っていた。年配の弁護士は、また山海を見ると山海は頷く。

『これらは、駅の再開発事業に関わった国会議員や地方議員、所轄官庁の官僚の金品のリスト、受け渡しを記録した映像、領収書や念書も有ります。』
『こちらの出した条件で、司法取引を了承して貰えるなら全ての証拠品を提供するつもりです。』

と年配の弁護士が美鈴を見て答える。美鈴達は驚きを隠せない。山海は仲間を売る気なのだ。美鈴が、アタッシュケースを見ながら、

『それをお預かりして、内容を確認したいのですが。』

と言うと山海が突然、

『駄目だ!』
『先に取引を了承してからだ!』

と声を上げる。山海の急な割り込みに全員、一様に驚く。山海は、

『中身は間違い無い。』
『何か有った時の為の記録だ、裏切られた場合のな。』

と請け負う。美鈴は、

『将来訴追される容疑とは、駅の再開発に関しての他の国会議員や地方議員、官僚に対する贈賄容疑でしょうか?』

と山海と弁護士を交互に見る。弁護士が山海を見ると山海は口を真一文字にして頷く。年配の弁護士は、

『山海氏に起こされるかも知れない将来の全ての容疑と言う意味です。』

と答える。美鈴は、

『つまり、将来犯罪を起こしても起訴するなと言う事ですか?』

と確認する。弁護士と山海が頷く。


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