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[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

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生け贄-1



{おそらく川上ゆきえさんの現役時代を知っている者の犯行でしょうから、犯人の年齢は三十代後半から五十代前半。単独犯とは思えませんから複数の犯行でしょう}


さすが元グラドルと愛娘までもが失踪となった事件ともなれば、その報道は熱を帯びていた。
しかも同じ会社で働いていた新庄由芽と奥村かずさの失踪と絡んでの続け様の事件である。
犯罪心理学のエキスパートまでスタジオに呼んでの報道に、新参者の佐々木は勿論、まだ日の浅い佐藤と高橋も不安を抱いていた。

新庄由芽の最近の出来事を調べれば、通勤時の痴漢逮捕の案件は直ぐに出て来るはず。
そこから桜庭(高田)に再度の取り調べが始まれば、もしかしたら自分達の事にまで繋がってしまう可能性がある。
不安はどんどん広がり、気分はますます滅入っていった。


『おう、聞いたかよ。このハゲの推理はなかなかイイとこ突いてんぜえ』


鈴木達は元・痴漢師の三人組とは真逆の余裕がある態度のままだった。
ネームバリューのある川上ゆきえの作品とあって、売り上げは鈴木達が満足する金額を容易く超え、更に初の美少女物の愛の作品のお陰で新規客も増えた。
誰を拉致してもその家族が黙っている道理はないのだし、警察の捜査が行われているのは報道の有無に関わりはしない……今まで何十人という女性を餌食にしてきた鈴木達からすれば、報道は最高のコマーシャルであり、寧ろ喜ぶべき事であった。


『おい、由芽のDVDの追加が来たぜ?昨日のニュースの顔写真見て欲しくなったってよ』

『クククッ…ブス専ってけっこう居るんだなあ?まあ何でもイイぜ、金になるんならよぉ』


男共は酒を飲みながらテレビを眺めている。
失踪報道がされるたびに追加の注文がパソコンに届き、鈴木達は嬉しくなってゲラゲラと笑う。


『おいおい、もう終わりかよぉ。あのレジェンドグラドル川上ゆきえ様が消えたんだぜ?せめて一時間くらいの特番でも組んでくれよなあ』

『やっぱ賞味期限切れのババアだから視聴者の食いつきが悪いんだろ』


鈴木だけではなく、田中も吉田も伊藤も余裕たっぷりだ。
佐藤達は、この豪胆さを頼もしく感じるより、どちらかと言えば『ついて行けない』という思いの方が勝るようになっていた。

別にあの母娘を蹂躙した事を悔いているのではない。
正義のヒロイン、由芽とかずさを嬲り者にした罪の重さに苛まされたのでもない。

クズの小心者が報道にビビリ、怖くなってしまっただけ。
警察に捕まって刑務所にブチ込まれるのが嫌なだけだ。


『佐々木くん、随分と熱心になって愛のキツキツマンコを楽しんでたじゃねえか。少しはチンポが鍛えられたかな?』

『……え?あはッ…まあ、それなりに……エヘヘ』


佐々木の表情には戸惑いが見えていた。
それは早漏を小馬鹿にされての事よりも、警察の捜査の手が迫っているかもしれないという不安からだった。


『今は姦る女も居ねえし、やっぱ呑むしかねえかあ?田中、佐藤、酒買いに行くぜ』


『ボクが買ってきますよ』と言い、そのまま此処から逃げようかと高橋と佐々木はそれぞれに思っていた。
だが、そんな一言すら言い出せない小心者達は押し黙り、財布の中の一万円札の数を数えて自分を納得させる。

好みの女を拉致して姦し、それをDVDにして売り捌くだけでこれだけの金が手に入るのだ。

怖くなったからと仲間を抜けて、また日雇いや派遣の仕事に就いたとしても、こんな大金は得られやしない。
いや、元の生活に戻ろうとする自分を、鈴木達が許すはずがない。

女に対して冷血な奴らだ。

裏切り者を私刑に処するのに戸惑いはないだろうし、独り身の者が何処かに《消えた》としても、被害届を出す者など居ようはずもなかった。
どうせ碌でもない人生、ハイリスク・ハイリターンで結構じゃないか……。


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