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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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それぞれの思惑-3

美鈴達、山海幹事長収賄裁判の担当チームが早めに出勤して早期の審理再開の請求の書類作成や必要になるであろう、医師や精神科医の人選を進めていると課長がやって来て裁判所の様子を見ようと言い出した。

裁判所もテレビ局にリークされた映像を問題視して山海の弁護士を呼び出したと言う。弁護士は、何やら言い訳がましい事を並べたてたが裁判所側は聞き入れず明日にも裁判所が指名した医師、精神科医による山海の診断が行われる手筈になった様だった。

美鈴は、裁判所の動きの速さに驚いた。裁判所の判断は理に適った物だが異例と言えるスピーディーさだ。美鈴は昼食を部下達と近くの定食屋に食べに行ったが、部下の一人が声を潜めて話し出した。

『裁判所の修習生時代の同期によれば、与党から山海の裁判の早期再開の働き掛けが法務省に有った模様です。』

と言う。一同は驚いた、普通与党は邪魔とは言わないまでも被疑者が与党議員の場合、議員側に立った働き掛けをするのが普通だった。しかも今回は幹事長と言う重責を担う山海だ。その部下は続けて、

『与党の支持率がジリジリ下がっているので、早く山海の裁判を終わらせたい思惑も有る様ですが…』

と少し間を置くと、

『その働き掛けをしているのが法務省出身の議員で次期幹事長候補の岸山政調会長の側近の様です。』
 
と打ち明ける様に話す。別の部下が、

『早く山海を蹴落としたい訳だ。』
『生臭い話しになってきたな。』

と言うと別の部下が、

『山海の派閥と岸山の派閥は、与党最大の首相の出身派閥の次の二番手争いをしていた筈だ。』 
『次期首相の座も絡んでいるんだろう。』

と解説して見せる。美鈴が、

『政争に利用されるのは嫌だけど、私達には好機でもある。』
『今まで通り、粛々とやって行けば自ずと勝訴が見えて来る。』

と言うと部下達も頷く、美鈴は続けて

『山海の襲撃前に一度準備したけど、もう一度見直しましょう。』
『明日の山海の診断次第だけど、裁判所からの打診にはすぐに再開出来ると返事するつもりだから。』

と話すと部下達も、

『はい!』

と揃って返事をしてヤル気を示してくれた。
美鈴達は、山海の裁判へ向け怠りが無いか見直しと証人予定の山海の元秘書の北島、事務所で収賄とされる1億円の現金を見た元私設秘書と連絡を取り、審理再開の際の協力を求めた。

2人とも承諾してくれ、いつでも良いと言ってくれた。北島の甥で山海の運転手を務めていた山本は、まだ協力を迷っているらしい。美鈴は、山本が持っていると言う証拠品だけでも提出を頼んだが仲立ちしている北島の話しでは、山海が襲われた事で増々怯えているとの事だった。

収賄の原因となり山海が、慰謝料を支払った妊娠させた女子高生と違法な堕胎手術を行った見返りに多額の謝礼を支払った医師は、証人となる事をいまだ拒否していた。だが最初の頃とは違い、迷いが見られると担当者からの報告だ。美鈴は、

【2人とも、山海が怖いんだわ。】 
【山海が裁判で不利となってくれば、協力してくれるかも。】

と考え、

【北島さんが提出してくれた裏帳簿も有る。】
【元秘書2人の証言も加われば、山海の収賄は立証出来るわ。】

と自信を強めた。


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