第４話：いよいよの夜-1
その夜、夫は出張で留守。真司の部屋に押し掛ける理由はできました。そして、夜の１１時ころに真司の部屋を訪れたのです。私はパジャマのままでしたが、なぜかお風呂から上がって着替えるときに、自然と私の好きな赤い下着を選びました。夫とのセックスの時にしか使わなかった下着を、なぜかその時に身に着けたのです。赤いブラと赤いパンティ・・私の女としての勝負下着をつけたのでした。全く意識せずにです。
部屋に入ると、息子は起きていました。携帯でなにやら見ていましたが、もう寝る直前だったようです。
「母さん、どうしたの」
「一人で心細いから、少し話をしようと思って。」
息子は珍しい出来事に驚いたようですが、その顔に、明らかに喜びの表情が見えました。そのことが、ドキドキしていた自分にとって大きな救いでした。
「お父さんいないし、寂しいから話をしよう」
「うん」
「真司は、彼女はできないの？」
「いるわけないじゃん」
「どうして？」
「だって、そんな機会ないし」
そんなたわいもない話をしたのちに、友人から教えられた段階に進みました。
「真司、今夜は寂しいから、一緒に寝ようよ」
「どうしたんだよ母さん、突然に」
といいながら、真司はまんざらでもないように、狭いベッドに私が入れるように、体をずらしてくれました。そうして、並んで布団に入って話を始めました。
「昔はよく一緒に寝たね」
「ああ、子供のころはね」
「こうして、真司と一緒だと、安心だよ」
「お父さんがいないから、寂しいのか？」
「そうよ」
・・
しばらく静かな時間が過ぎましたが、息子が切り出しました。
「母さん、この間、ボクの見てたでしょ？」
「何を？」
「この間、見てたよねボクのオナニーを」
この件が持ち出されて、私は心臓がバクバクしました。
「うん・・うん見ていたよ」
息子は恥ずかしそうでしたが、私の方に体を向けました。私の方に向いたので、真司の顔が私の顔の耳のすぐそばに来て、彼の身体が私に密着するような状況になりました。息子は話を続けます。私は、真司の息を耳に感じて、気持ちの高まりを感じました。母親を仰向けに寝かして、その横で母の方を向いて話をし始めました。
「見ていたんだね、僕の恥ずかしいところを」
「うん、見ていたよ」
「直ぐに去ってくれたらよかった」
「でもね、真司は見せたかったんじゃないの？」
真司は真っ赤になってしまいました。これで、彼が確信犯であったことがはっきりしました。あとは、彼がどういう意図でそうしたかです。
「真司、お前、お母さんに見せたかったんだよね？」
「・・・」
「見せたかったのでしょ。一人でエッチしているのを」
「・・・」
真司は答えません。
「真司、お母さんはね、見せてくれてうれしかったよ・」
「え？」
真司は驚いたようでした。
「真司が見せてくれてうれしかったんだよ」
「・・どうして？」
「真司が立派な大人になっていると分かったし」
「ペニスの事？」
「それもあるけど、男の人なら誰だってやっている行為を、真司もちゃんとしているのでね、安心した」
真司はほっとしたようでした。真司は、右手を私の腰のところにおいて、話を続けました。
腰においた真司の手は、若いころに、夫と知り合う前に付き合っていた不倫での男性に初めて抱かれた時の感触に、似ていました。
「それとね・・」
「何？母さん」
「信頼できる身近に、燃えているような男性が居る事が分かって、うれしかったんだよ」
「どういうこと？」
「お父さん、最近、性的に役に立たなくて、誰か外の男性とセックスしてもいいよ、なんて言っているの。そんなのあり得ないよね。でも、立派な男性が家の中に同居しているじゃない・・・そのことが分かったの・・」
真司は驚いたようでした。話をつづけました。
「母さんにオナニーを見せて、女として母さんが反応するのを期待したでしょ？」
「・・・」
「母さんを女として欲しいと思ったでしょ？」
真司は恥ずかしそうにしながら、「うん」とうなずきました。これで彼の気持ちがはっきりしました。やっとわかったのです。真司が私を求めている・・。友人の言った通りでした。
「お母さんうれしかったよ。真司が、私を女として見てくれて。」
「そうなの？」
「うん」
真司は急に泣きそうな顔をして言いました。
「母さん、ごめんね。でも、我慢できなかったんだ。」
「何が」
「母さんが好きで・・・」
「どんな風に？」
「いつも、母さんを近くに感じたくて」
「近くにって？」
「母さんを・・女性としての母さんを感じていたい・・距離を縮めていたいというか・・」
「そうなの・・うれしいよ」