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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈聖地篇〉-3

荷物をソファに放り投げ、窓辺に立つ。バルコニーにつながる窓を開け外にでた。

下はきれいに整備された庭が広がっていた。噴水がいくつかあり、水の音が心地好く響く。

 ふと隣の窓が開く音がした。リュナがバルコニーに姿を現す。

「あ、カルサ!」

「気に入ったか?」

カルサは微笑みながら問いかけた。それぐらいにリュナの目はキラキラしている。

リュナは頷き手摺りに体を預け辺りの景色を確かめた。まるで子供のように無邪気な姿。おもわず顔がほころんでしまう。

それに気付いたリュナは照れくさそうに笑った。

「はしゃぎすぎかな?」

「いや。嬉しかったんだろ?」

カルサは優しい表情で答えた。愛しくて仕方ない、そんな風に見える。

「だって、カルサと一緒だから。すっごく楽しいし、はしゃいじゃうの。」

とびきりの笑顔でそう言うと、リュナは部屋の中に戻っていった。後に残されたカルサの顔は赤く染まる。

思わず笑ってしまった。空を仰ぎ風を感じる。手摺りに手をかけ、カルサはバルコニーから飛び降りた。

 風を操りゆっくりと着地する。一度上を見上げ、リュナの部屋のバルコニーをみた。そこに彼女はいないが、カルサは満足そうに微笑む。

水の音が響くのを感じながら庭を歩き始めた。まるで目的地があるように進んでいく。

庭とはいえ、深い所はそのまま森につながることも多々ある。カルサは森の方へ足を進めていった。

所詮、庭の延長なので深くはないが、それでも雰囲気はがらりと変わった。しばらく歩くと樹齢高そうな樹がそびえたっていた。

カルサは幹に片手をあててみる。目をつむって鼓動を感じてみた。そこに鼓動以外の音は存在しない。

しばらく鼓動に身を任せていると、遠くで小さな音が聞こえた。鳴き声。

カルサはゆっくりと後ろを向く。目に入ったものは、黄金の毛並みを持つ狼のような獣だった。

 静かに立ち、視線は真っすぐにカルサに注がれている。目を細めてカルサは考えてみた。

 襲う気配はない。ここは御剣の総本山、御剣にまつわるものだろうか?しかしカルサには一つの可能性が浮かんでいた。

「ラファル?」

半信半疑で問いかけてみる。獣はふさふさのシッポを振ってみせた。その反応にカルサは確信した。

「やっぱり、ラファルか!」

喜びの声をあげ、カルサは両手を広げた。ラファルは迷わずに飛び込んでいく。

勢い良く来たラファルにカルサは態勢を崩して倒れてしまった。それでもラファルはシッポをふりながら、体をすり寄せる。


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